“腎と脳を同時に養う”くるみ|疲れ・冷え・老化にやさしく効く薬膳素材
「疲れが取れない」「冷えやすい」「物忘れが増えた…」
そんなときにおすすめなのが、薬膳素材としてのくるみ(胡桃仁/ことうにん)です。
漢方では、くるみは“腎”を補い、“脳と骨を養い”、“腸の潤いも整える”万能素材。
この記事では、くるみの効能・体質との相性・手軽な取り入れ方を、やさしくご紹介します。
くるみとは?|補腎・補陽の代表素材
くるみは胡桃仁(ことうにん)と呼ばれ、中医学では「補腎温陽」「温肺定喘」「潤腸通便」の効能をもつ薬膳素材です。
特に、加齢・冷え・慢性疲労・心の安定において非常に有効とされています。
漢方的分類
- 五性:温性(体を内側から温める)
- 五味:甘味
- 帰経:腎・肺・大腸経
- 主な効能:補腎温陽・潤腸通便・養心安神・温肺定喘
くるみが合う体質・症状
体質 | 特徴 | 主な適応 |
---|---|---|
腎陽虚 | 腰や膝がだるい/寒がり/足が冷える | 慢性疲労/頻尿/性機能低下/冷え |
老化・記憶力低下 | 物忘れが増える/髪が薄くなる | 健忘・めまい・耳鳴り・脱毛 |
乾燥体質 | 便秘/肌の乾燥/唇のひび割れ | 乾燥便/慢性的な腸の弱り |
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くるみの取り入れ方とレシピ
使い方のヒント
- 炒って食べることで補腎・補陽効果アップ
- 甘味や香ばしさを生かしておやつにも活用
- 1日5〜10粒を目安に(摂りすぎはニキビや湿熱のもと)
おすすめレシピ:くるみと黒ごまの薬膳パウンド
材料(ミニパウンド型1本分)
- くるみ(ロースト):30g
- 黒ごま(すりごま):大さじ1
- 小麦粉 or 米粉:100g
- 豆乳:100ml
- はちみつ:大さじ2
- ベーキングパウダー:小さじ1
作り方
- 材料をすべて混ぜて型に流し入れる
- 180℃で25〜30分焼く
補腎・補血・補陽を兼ね備えた、女性にも男性にも嬉しい常備菓子です。
組み合わせ素材とセルフケア
一緒に取りたい素材
- 黒ごま:補腎・補血・アンチエイジング効果を強化
- なつめ:補気・補血・養心作用で心も整える
- もち米:脾を補い、くるみの消化をサポート
おすすめツボ
- 命門(めいもん):腎の源/へその真裏
- 腎兪(じんゆ):第2腰椎下/腎機能・泌尿・冷え改善
まとめ:くるみは“年齢とともに頼れる”薬膳の宝
くるみは、体を温め、脳を養い、潤いを与える“三方よし”の薬膳素材。
冷え・疲れ・老い──誰もが感じる変化に、くるみは静かに寄り添います。
あなたの食卓に、今日から「一粒のくるみ」という養生を。
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