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冷えを防ぐ冬の薬膳|“腎”と“陽”を温める食養生
「冬になると手足が冷える」「朝がつらい」「腰が重だるい」──
その不調、“腎”と“陽”の弱りが関係しているかもしれません。
漢方では、冬はエネルギーを蓄える“腎”の季節。体を内側から温め、エネルギーの源を養うことが大切です。
この記事では、寒さに負けない体を作る冬の薬膳とセルフケアをご紹介いたします。
冬は“腎”の季節|体の芯から冷える理由
中医学で「腎」は、生命力・成長・ホルモンバランス・骨・耳・泌尿機能などを司る大切な臓腑です。
冬は腎がもっとも影響を受けやすく、気温の低下とともに“陽気(あたためる力)”が不足しやすくなります。
冬に起こりやすい不調
- 手足の冷え/寒がり/顔色が青白い
- 頻尿/夜間のトイレ/むくみ
- 腰や膝のだるさ/足腰の冷え
- 疲れやすい/朝がつらい/気力の低下
薬膳の基本|“腎”を補い、“陽”を温める
冬の薬膳では、「補腎(ほじん)」と「温陽(おんよう)」を意識することが重要です。
腎を支える黒い食材や、体を芯から温める温性食材を選びましょう。
冬におすすめの薬膳食材
食材 | 作用 | おすすめの食べ方 |
---|---|---|
黒豆 | 腎を補い、巡りをよくする | 煮豆、雑穀ご飯、スープ |
くるみ | 腰や足の冷え・頻尿に◎ | 炒りくるみ、和え物、お粥に |
羊肉 | 体を芯から温め、補腎作用 | 煮込み、スープ、火鍋 |
山芋 | 消化を助け、腎と脾を補う | とろろ、煮物、味噌汁に |
生姜 | 気血を巡らせ、冷えを防ぐ | 紅茶、汁物、炒め物に |
簡単レシピ|黒豆とくるみの薬膳粥
材料(2人分)
- 白米 1/2合
- 黒豆(ゆでたもの)大さじ2
- くるみ(刻む)大さじ1
- 山芋(すりおろし)50g
- 水 500ml/塩 少々
作り方
- 米と水を鍋で煮てお粥を作る
- 黒豆・山芋・くるみを加えて数分煮る
- 塩で調味し、温かいうちに食べる
体の芯からポカポカ温まる、冬にぴったりの養生粥です。
冬のセルフケア|温めて、ためて、守る
- 腹巻き・湯たんぽ・カイロなどで腰と足を温める
- 無理な運動より、静かに深く休む
- ツボ:命門(めいもん)・関元(かんげん)で腎陽のサポート
まとめ:冬は「温める力」を養う季節
冷えが続くと、体の芯にある“陽気”が消耗し、春以降の体調にも影響します。
冬こそ、養腎・温陽の薬膳と習慣で、内側からしっかりと体を整えていきましょう。
寒さに備える知恵は、あたたかい未来を育てる土台になります。