雨の日のむくみと肌荒れに“はとむぎ”|湿を抜いて内側から整える薬膳素材

雨の日のむくみと肌荒れに“はとむぎ”|湿を抜いて内側から整える薬膳素材

「雨の日はむくむ」「肌が荒れやすい」「気分も体も重だるい」──
そんな症状に寄り添ってくれるのが、薬膳でよく使われる“はとむぎ(薏苡仁)”です。
中医学では、はとむぎは利湿・健脾・排膿・美容の作用をもつ優れた素材。
特に女性の“湿”による不調や、美肌養生に役立つ薬膳食材として知られています。
この記事では、はとむぎの漢方的効能と日常への活かし方をご紹介します。


はとむぎ(薏苡仁)とは?|薬膳的な分類と特徴

はとむぎはイネ科の穀類で、薬膳では“薏苡仁(よくいにん)”として分類されます。
湿邪を取り除きながら、胃腸をいたわり、肌や関節の不調にも使われてきました。

漢方的分類

  • 五性:微寒
  • 五味:甘・淡
  • 帰経:脾・胃・肺
  • 主な効能:健脾・利湿・排膿・除痺・美肌・抗炎症

はとむぎが活躍する体質・症状

体質 特徴 症状例
痰湿体質 体が重だるい/むくみ/湿気が苦手 頭重/倦怠感/梅雨の体調不良
湿熱体質 肌トラブル/口が苦い/便がベタつく ニキビ/吹き出物/膀胱炎
脾虚体質 胃腸虚弱/下痢しやすい/疲れやすい 食欲不振/お腹の張り/湿による不調

▶ 痰湿体質向け薬膳を見る

関連記事

体が重だるいあなたへ|“痰湿体質”を整える薬膳食材 「朝から体が重い」「むくみやすい」「頭がボーッとする」── そんな不調が続いている方は、“痰湿体質(たんしつ)”の傾向があるかもしれません。 この記事では、痰湿体質の特徴と、[…]

IMG

▶ 湿熱体質向け薬膳を見る

関連記事

ベタつき・ニキビが気になる方へ|“湿熱体質”を冷ます薬膳 「顔や背中のニキビが治らない」「体がベタつく」「口が苦い」── そんな不調が続くときは、“湿熱体質(しつねつ)”の可能性があります。 この記事では、湿熱体質の特徴と、余分な熱と[…]

IMG

 


はとむぎの活用法と注意点

取り入れ方のポイント

  • 雑穀ご飯・スープ・お粥・茶に
  • 皮付きタイプは固いため煮込む or 炊飯推奨
  • 冷やす性質があるため、冷え体質には“生姜”との併用を

おすすめレシピ:はとむぎととうもろこしの薬膳粥

材料(2人分)

  • はとむぎ(ゆでたもの)大さじ2
  • とうもろこし(粒)1/4本分
  • 白米 1/2合
  • 水 500ml/塩 少々

作り方

  1. 米・水・はとむぎを鍋に入れて弱火で炊く
  2. とうもろこしを加え、塩で味を整える

むくみが気になる朝や梅雨時期にぴったりの薬膳粥です。


併用したい食材・セルフケア

相性の良い素材

  • しょうが:体を温めながら湿を散らす
  • しそ:気を巡らせ、梅雨のだるさに◎
  • あずき:利尿・利湿を助け、むくみに強い

おすすめのツボ

  • 陰陵泉(いんりょうせん):膝の内側/むくみ・湿の排出
  • 中脘(ちゅうかん):みぞおちとおへその間/脾胃の改善

まとめ:湿を抜いて、美しさと気力を取り戻す

「むくみ」「肌荒れ」「気分の落ち込み」──
実は“湿”が関係していることが多くあります。
はとむぎは、からだの内側にたまった湿をやさしく抜き、美しさと軽さを取り戻してくれる薬膳素材。
重たい日こそ、軽やかさを与えてくれるひと粒を。
明日は、今日より少し、すっきりと過ごせるかもしれません。

▶ 薬膳セルフケア記事一覧を見る

関連記事

体質から選ぶ薬膳セルフケア|不調別・食材で整える中医学の知恵 「薬膳って、何をどう食べればいいの?」 そんな疑問に応えるために、このページでは体質別・不調別に食材を選ぶ薬膳セルフケアをわかりやすくご紹介します。 漢方の視点から、あなた[…]

IMG

この記事の分類

季節: 梅雨
error: このコンテンツのコピーは禁止されています。