雨の日のむくみと肌荒れに“はとむぎ”|湿を抜いて内側から整える薬膳素材
「雨の日はむくむ」「肌が荒れやすい」「気分も体も重だるい」──
そんな症状に寄り添ってくれるのが、薬膳でよく使われる“はとむぎ(薏苡仁)”です。
中医学では、はとむぎは利湿・健脾・排膿・美容の作用をもつ優れた素材。
特に女性の“湿”による不調や、美肌養生に役立つ薬膳食材として知られています。
この記事では、はとむぎの漢方的効能と日常への活かし方をご紹介します。
はとむぎ(薏苡仁)とは?|薬膳的な分類と特徴
はとむぎはイネ科の穀類で、薬膳では“薏苡仁(よくいにん)”として分類されます。
湿邪を取り除きながら、胃腸をいたわり、肌や関節の不調にも使われてきました。
漢方的分類
- 五性:微寒
- 五味:甘・淡
- 帰経:脾・胃・肺
- 主な効能:健脾・利湿・排膿・除痺・美肌・抗炎症
はとむぎが活躍する体質・症状
体質 | 特徴 | 症状例 |
---|---|---|
痰湿体質 | 体が重だるい/むくみ/湿気が苦手 | 頭重/倦怠感/梅雨の体調不良 |
湿熱体質 | 肌トラブル/口が苦い/便がベタつく | ニキビ/吹き出物/膀胱炎 |
脾虚体質 | 胃腸虚弱/下痢しやすい/疲れやすい | 食欲不振/お腹の張り/湿による不調 |
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はとむぎの活用法と注意点
取り入れ方のポイント
- 雑穀ご飯・スープ・お粥・茶に
- 皮付きタイプは固いため煮込む or 炊飯推奨
- 冷やす性質があるため、冷え体質には“生姜”との併用を
おすすめレシピ:はとむぎととうもろこしの薬膳粥
材料(2人分)
- はとむぎ(ゆでたもの)大さじ2
- とうもろこし(粒)1/4本分
- 白米 1/2合
- 水 500ml/塩 少々
作り方
- 米・水・はとむぎを鍋に入れて弱火で炊く
- とうもろこしを加え、塩で味を整える
むくみが気になる朝や梅雨時期にぴったりの薬膳粥です。
併用したい食材・セルフケア
相性の良い素材
- しょうが:体を温めながら湿を散らす
- しそ:気を巡らせ、梅雨のだるさに◎
- あずき:利尿・利湿を助け、むくみに強い
おすすめのツボ
- 陰陵泉(いんりょうせん):膝の内側/むくみ・湿の排出
- 中脘(ちゅうかん):みぞおちとおへその間/脾胃の改善
まとめ:湿を抜いて、美しさと気力を取り戻す
「むくみ」「肌荒れ」「気分の落ち込み」──
実は“湿”が関係していることが多くあります。
はとむぎは、からだの内側にたまった湿をやさしく抜き、美しさと軽さを取り戻してくれる薬膳素材。
重たい日こそ、軽やかさを与えてくれるひと粒を。
明日は、今日より少し、すっきりと過ごせるかもしれません。
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