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体が重だるいあなたへ|“痰湿体質”を整える薬膳食材
「朝から体が重い」「むくみやすい」「頭がボーッとする」──
そんな不調が続いている方は、“痰湿体質(たんしつ)”の傾向があるかもしれません。
この記事では、痰湿体質の特徴と、からだにたまった“余分な水分”を整える薬膳食材をご紹介します。
痰湿体質とは?
中医学での「痰湿(たんしつ)」とは、体内に滞った余分な水分・老廃物のこと。
胃腸のはたらきが弱ったり、代謝が落ちたりすることで、体のあちこちに“水のにごり”がたまりやすくなります。
✔ 痰湿タイプに見られる特徴
- 体が重だるい/朝スッキリ起きられない
- むくみ/特に下半身やまぶたに出やすい
- 頭が重い・ボーッとする/集中力低下
- 痰が多い/胃がもたれる/湿気が苦手
- 舌がぼってり/舌の縁に歯型がある
“水はけの悪い体質”ともいえるこの状態は、胃腸の不調や生活習慣の乱れから悪化しやすくなります。
薬膳での基本アプローチ:化痰・利湿・健脾
痰湿体質には、「余分な水をさばく」「脾(胃腸)を整える」の2本立てが基本です。
薬膳では、健脾利湿(けんぴりしつ)をテーマに、代謝・排出を促す食材を選びます。
化痰・利湿の食材の傾向
- 性質: 平性〜温性(冷えがある場合)
- 味: 苦味・甘味・淡味(利尿・排湿)
おすすめの健脾利湿食材
食材 | 作用 | おすすめの食べ方 |
---|---|---|
はとむぎ(ヨクイニン) | むくみ改善/美肌にも◎ | スープ、雑穀米、茶 |
とうもろこし | 利尿作用があり、胃腸にやさしい | スープ、粥、蒸し物 |
冬瓜(とうがん) | 余分な水を排出/熱も取り除く | スープ、煮物 |
大豆・豆類 | 脾を補いながら利湿 | 煮物、豆ごはん、味噌汁 |
しそ・生姜 | 気を巡らせ、湿を動かす | 薬味、味噌汁、炒め物 |
簡単レシピ|はとむぎととうもろこしのスープ
材料(2人分)
- はとむぎ(ゆでるor乾燥を戻す)30g
- とうもろこし(粒)1/2本分
- 冬瓜 100g
- だし汁 400ml
- 塩・醤油・しそ・生姜 少々
作り方
- 冬瓜を食べやすい大きさにカットし、だし汁で煮る
- はとむぎ・とうもろこしを加えて弱火で10分
- 塩・醤油で味を整え、しそ・生姜をトッピング
体が重いときでも胃にやさしく、ほっこりと水の巡りを助けてくれる一品です。
日常生活でのケアポイント
- 冷たい飲み物・生もの・油ものを控える
- 甘いもの・乳製品・小麦中心の食事に注意
- 湿気の多い季節は除湿・温活を意識
まとめ:“湿”はためこまずに、こまめに流す
痰湿体質は、「代謝の滞り」による“重だるさ”が特徴です。
水の流れを整える薬膳で、からだを軽く、動きやすくしていきましょう。
まずは一杯のスープから、湿をためこまない習慣を始めてみてください。