“脾と湿”を整えるとうもろこし|梅雨・夏・むくみにやさしい薬膳素材

“脾と湿”を整えるとうもろこし|梅雨・夏・むくみにやさしい薬膳素材

「梅雨時に体が重だるい」「夏は食欲が落ちる」「むくみやすい」──
そんな季節の不調に寄り添うのが、薬膳素材としてのとうもろこしです。
中医学では、とうもろこしは「健脾利湿(けんぴ・りしつ)」の代表食材。
特に脾胃虚弱・むくみ・水太り・食欲不振の方にやさしく働きかけます。
この記事では、とうもろこしの薬膳的効能と、芯やひげも含めた活用法をご紹介します。


とうもろこしの薬膳的プロフィール

とうもろこし(玉蜀黍/ぎょくしょくしょく)は、実・芯・ひげすべてに薬効がある穀類です。
健脾作用があり、梅雨・夏の“湿気”に負けない体づくりに最適です。

漢方的分類

  • 五性:平性(穏やか)
  • 五味:甘味
  • 帰経:脾・胃・膀胱
  • 主な効能:健脾・利湿・利尿・降圧・美容補助

とうもろこしが合う体質・症状

体質 特徴 主な適応症状
脾虚 胃腸虚弱/疲れやすい/軟便傾向 食欲不振/水太り/朝のだるさ
痰湿 体が重い/むくみ/湿気に弱い 足のむくみ/舌に白苔/倦怠感
湿熱 ベタつき体質/にきび/尿が濃い 梅雨・夏の体調不良/口の苦味

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とうもろこしの使い方とレシピ

日常での活用法

  • 実:スープ・粥・ごはん・サラダに
  • 芯:だしを取ると甘みと利湿作用UP
  • ひげ:乾燥させて「とうもろこし茶」に

おすすめレシピ:芯ごと煮出す薬膳とうもろこしスープ

材料(2人分)

  • とうもろこし(実・芯ともに):1本分
  • はとむぎ(ゆで):大さじ2
  • しょうがスライス:1枚(冷え体質向け)
  • だし汁:500ml
  • 塩:少々

作り方

  1. 芯と実、しょうがをだし汁で煮出す
  2. はとむぎを加え、塩で調味する

夏や梅雨の重だるい日でもやさしく食べやすい、滋養スープです。


組み合わせ素材とセルフケア

相性の良い素材

  • はとむぎ:利湿力UP、むくみに相性抜群
  • しそ:気の巡りを助けて湿邪の出口に
  • もち米:脾を補って消化吸収力を高める

おすすめツボ

  • 陰陵泉(いんりょうせん):膝内側のくぼみ/むくみ・湿抜き
  • 脾兪(ひゆ):背中の第11胸椎下/脾の補養に

まとめ:自然な甘さで、体の湿をやさしく追い出す

とうもろこしは、甘みのある穀物でありながら、余分な水分を体から静かに抜いてくれる頼れる素材。
胃腸の働きが落ちる梅雨や夏、だるさや肌のくすみが気になるときこそ、活用してみてください。
あなたの食卓が、巡りと軽さを育てる“養生の場”になりますように。

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対象者: 健康志向
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