“気も体も冷えている”と感じたら“しょうが”を|巡らせて温める薬膳素材
「気持ちが冷えてる気がする」「手足がいつも冷たい」「やる気が出ない…」
そんなときにおすすめの薬膳素材が“しょうが(生姜/しょうきょう)”です。
漢方の世界で、しょうがは体を温め、気を巡らせ、胃腸を整える力強い存在。
この記事では、感情と体調の両面を整える“しょうが”の薬膳的な使い方を深掘りしてご紹介します。
しょうがの薬膳的プロフィール
しょうがは「生姜(しょうきょう)」として生薬にも用いられ、温中散寒・発汗解表・理気和胃の作用があります。
冷えからくる不調、巡りの悪さ、消化力の低下、不安定な情緒──
こうした悩みを支える、日常に取り入れやすい万能素材です。
漢方的分類
- 五性:温性(加熱するとさらに温め作用)
- 五味:辛味
- 帰経:肺・脾・胃
- 主な効能:散寒温中・健脾和胃・解表発汗・止嘔
しょうがが合う体質・症状
体質 | 主な特徴 | 適応症状 |
---|---|---|
陽虚体質 | 冷え/寒がり/顔色が白い | 手足の冷え/疲れやすさ/朝の不調 |
気滞体質 | ストレス/ため息/のどの違和感 | 気分の波/イライラ/腹部膨満 |
胃腸虚弱 | 食欲不振/消化不良/冷たいものNG | 胃のむかつき/軟便傾向/寒がり |
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しょうがの取り入れ方とレシピ
使い方のヒント
- 加熱して使用(冷えタイプには生のままより煮出し推奨)
- 味噌汁・スープ・紅茶・薬膳茶に
- すりおろし・刻み・スライスで用途に応じて使い分け
おすすめレシピ:しょうがと黒ごまの補気スープ
材料(2人分)
- しょうが(千切り):1かけ分
- 黒ごま:大さじ1(すりごま)
- 鶏ささみ or 豆腐:適量
- だし汁:400ml
- 塩・しょうゆ:少々
作り方
- しょうが・鶏ささみをだし汁で煮る
- 黒ごまを加え、調味して完成
心も体もほっと温まる、巡りのスイッチを入れるスープです。
おすすめの組み合わせとセルフケア
一緒に取りたい素材
- しそ:気を巡らせ、精神安定に
- はとむぎ:湿気を除き、デトックス効果
- もち米:脾を補って内側から温める
おすすめツボ
- 関元(かんげん):おへその指4本分下。陽気を補う
- 中脘(ちゅうかん):胃の中心。胃もたれ・気の巡りに
まとめ:あたためて、巡らせて、整える
しょうがは、冷えきったからだだけでなく、“気持ちの冷え”にも効く薬膳素材です。
なんとなく元気が出ない、やる気が湧かない、そんな日は、しょうがをひとさじ。
からだが温まると、心も自然と前を向くようになります。
「まず温める」──それが、整える第一歩かもしれません。
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