「悲しいわけじゃないのに涙が出る」そんな日には漢方を

「悲しいわけじゃないのに涙が出る」そんな日には漢方を

「特に悲しいことはないのに涙が出る」「理由がわからないけど気持ちが沈む」
そんな経験、ありませんか?
それはもしかすると、心の問題ではなく体のサインかもしれません。
漢方では、感情の乱れは“気・血・陰”の不足や巡りの停滞と深く関係しています。
この記事では、“理由のない涙”をやさしく受け止めながら、体から整えるセルフケアのヒントをお届けします。


感情の乱れは「体の乱れ」でもある

漢方の基本的な考えに、「心身一如(しんしんいちにょ)」という言葉があります。
心と体はつながっており、どちらかが乱れると、もう一方も影響を受けるという意味です。
「涙もろい」「孤独感が強い」「ふとした瞬間に涙が出る」──
そうした症状は、体の“気・血・陰”が足りていない可能性があります。


“悲しくないのに泣いてしまう”人に多い体質

体質タイプ 主な特徴 感情の傾向
血虚 顔色が淡い、めまい、集中力低下 情緒不安定、涙もろい
心陰虚 寝汗、動悸、不眠、舌が紅く乾燥 不安感、焦燥感、涙ぐみやすい
肝気虚(肝鬱) ため息、胸のつかえ、怒りやすさ 気分の波が激しい、疲れると泣ける

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薬膳でやさしく“涙の体質”を整える

おすすめの食材

  • なつめ:補血・安神。疲労や気落ちのある方に
  • 百合根:心を鎮め、涙を落ち着かせる
  • ほうれん草:血を養い、安定感を育てる
  • 黒ごま:肝腎を養い、情緒を整える
  • 小麦(特に全粒):気と血を補う、心を静める

簡単レシピ|なつめと百合根の安神おかゆ

材料(2人分)

  • 白米 1/2合
  • なつめ 2粒(種を除く)
  • 百合根(乾燥・戻すか生)30g
  • 水 500ml/塩 少々

作り方

  1. 米と水を鍋に入れ、百合根・なつめを加えて炊く
  2. やわらかく炊けたら、塩で薄く調味する

心が疲れているときでも食べやすい、やさしい一品です。


“涙”を受け止めるセルフケア

ツボケア

  • 内関(ないかん):情緒安定・不安緩和。手首内側から指3本分下
  • 神門(しんもん):手首の小指側くぼみ。不眠・感情の鎮静に

暮らしのヒント

  • 「泣いていい」と許す空間づくり
  • 心の安全圏に身をおく(予定の削減・静かな時間)
  • 香り・光・温かさで“心を包む”

まとめ:涙は、心と体からのやさしい声

涙が出るのは、感情だけのせいではありません。
漢方は、“体が整えば、感情も穏やかに整う”ことを教えてくれます。
もし涙が止まらない日があったら、からだをねぎらい、食べて、休むことから始めてみてください。
その涙は、あなたの中の“頑張り”が出してくれたSOSかもしれません。

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