やる気が出ない…その“気力低下”、漢方では“気虚”かもしれません
「なんとなくやる気が出ない」「理由もなくぼーっとしてしまう」「動くのがめんどう…」
それはただの“怠け”ではなく、からだのエネルギー=“気”が足りていない状態かもしれません。
漢方ではこの状態を“気虚(ききょ)”といい、体質の乱れによって心と体の元気が失われていくと考えます。
この記事では、“気虚”のサインとその整え方を、食事・ツボ・習慣からやさしく解説いたします。
気虚とは?|からだとこころのガス欠状態
「気」は、漢方におけるエネルギーの源。呼吸・消化・血流・免疫・思考などすべてに関わります。
この“気”が不足すると、まるで車のガソリンが切れたように、元気が出ない・やる気が湧かない・集中できないといった不調が現れます。
こんな症状があれば「気虚」かも?
- 疲れやすい/朝からだるい
- 気力が出ず、物事が億劫になる
- 声が小さくなった/話すのが面倒
- 風邪をひきやすい/冷えやすい
- 胃腸が弱い/お腹をこわしやすい
“気”を補う薬膳セルフケア
おすすめの補気食材
- 山芋(やまいも):脾胃を助けて気を補う
- もち米:胃腸の働きを助ける/粥やおこわに
- なつめ:気と血を補う/スープ・茶に
- 鶏肉:補気の代表/スープ・煮物に
- かぼちゃ:胃腸にやさしくエネルギーを養う
簡単レシピ|鶏と山芋の補気スープ
材料(2人分)
- 鶏もも肉 100g
- 山芋 80g(角切り)
- なつめ 2粒(種を取る)
- しょうがスライス 1枚
- だし汁 400ml/塩・しょうゆ 少々
作り方
- だし汁に鶏肉・山芋・なつめを入れて煮る
- しょうがを加え、調味して仕上げる
食欲がない日や、元気が出ない朝にもぴったりのやさしいスープです。
▶ 気虚体質の薬膳記事も読む
疲れが取れないあなたへ|“気虚体質”を補う薬膳のすすめ 「寝ても疲れが取れない」「朝からだるい」「風邪をひきやすい」 そんなあなたは、もしかすると“気虚(ききょ)体質”かもしれません。 気虚とは、からだを動かすエネルギー“気”が不足し[…]
ツボと習慣で“気力”を育てる
おすすめのツボ
- 足三里(あしさんり):膝の外側下、指4本分下。補気・胃腸のケア・疲労回復
- 関元(かんげん):おへそから指4本分下。エネルギーの源を温める
生活での補気ポイント
- 冷たいものを控えて「内臓を温める」
- 朝の白湯+深呼吸から始める
- “気を消耗する”無理・急・詰め込みを避ける
まとめ:“やる気”は「育てるもの」
気持ちが沈んで動けないとき、それは「怠け」ではありません。
漢方では、やる気はエネルギー(気)の余裕から生まれるものと捉えます。
まずは、“気を補う”ことから始めて、少しずつ元気を取り戻してみませんか?
今日のスープ1杯が、明日の行動につながります。
▶ セルフケアハブページへ戻る
体質から選ぶ薬膳セルフケア|不調別・食材で整える中医学の知恵 「薬膳って、何をどう食べればいいの?」 そんな疑問に応えるために、このページでは体質別・不調別に食材を選ぶ薬膳セルフケアをわかりやすくご紹介します。 漢方の視点から、あなた[…]
漢方ってなに?東洋医学との違いと特徴をやさしく解説 「漢方と東洋医学って同じもの?」「漢方は自然派って本当?」 初心者の方が最初につまずきやすい“言葉の違い”から、本当の意味での「漢方」とは何かをやさしく解説します。 現代医療とどう違[…]
この記事の分類
- シリーズ分類:「感情×漢方」シリーズ