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涙もろい・不安・寂しいときに読む|“心と血”を養う漢方セルフケア
「気づくと涙が出る」「わけもなく寂しい」「不安で寝つけない」──
感情が不安定になりがちなとき、ただ“気持ちの問題”で済ませていませんか?
漢方では、こうした“こころの揺れ”には体の状態が深く関わっていると考えます。
特に“血”と“心”の不足(血虚・心脾両虚)は、情緒の安定と深く関係しています。
この記事では、気持ちの安定を内側から支える漢方的アプローチをやさしくご紹介します。
感情は「血」と「心」の鏡
漢方では、“血”は心を安定させる土台とされ、「血は神(こころ)を養う」といいます。
また“心”は精神活動をつかさどり、不足すると不安・不眠・孤独感といった症状に現れます。
この2つが弱っていると、涙もろさ・さみしさ・気持ちの沈みが出やすくなるのです。
こんな方は“心血”のケアを
- 情緒が不安定になりやすい
- ささいなことで泣きたくなる
- 夜になると孤独を感じる
- 不安感が強く、眠りが浅い
- 人と会いたくなくなる
タイプ別|“心と血”を支える体質
体質 | 感情傾向 | 主な特徴 |
---|---|---|
血虚 | 情緒不安定・落ち込みやすい | 顔色が白い・疲れやすい・眠りが浅い |
心脾両虚 | 不安感・夢が多い・涙もろさ | 動悸・集中力低下・胃腸が弱い |
陰虚(兼任) | 孤独感・焦燥・虚無感 | 寝汗・ほてり・喉の渇き |
“心と血”を養う薬膳の知恵
おすすめの食材
- なつめ:補血・安神/お茶や粥に
- 黒ごま:血を補い、精神安定に
- 百合根:心を鎮める/茶碗蒸し・甘煮
- 鶏レバー:造血・補虚に優れる
- 山芋・豆腐:胃腸を支え、心脾を助ける
簡単レシピ:百合根となつめのやさしいスープ
材料(2人分)
- 百合根 30g
- なつめ(種を取る)2〜3個
- 鶏ひき肉 100g
- 豆腐 1/4丁
- だし汁 400ml/塩・醤油 少々
作り方
- だし汁に百合根となつめを入れて煮る
- 鶏ひき肉を加え、アクを取る
- 豆腐を崩して加え、調味して完成
セルフケア|こころと体の両方を“養う”習慣
- 香り・音・光をやわらかく使う:照明・音楽・アロマなどで「安心感」をつくる
- 心包経を刺激:内関(ないかん)…手首から指3本下の真ん中/不安・緊張に
- 十分な睡眠・夕方以降の予定を減らす:「静」を優先した時間割を
まとめ:“こころを癒す”には、まず体を満たす
涙が止まらないとき、不安が押し寄せてくるとき。
それは「こころの弱さ」ではなく、からだからのサインかもしれません。
漢方の考え方では、こころと体は表裏一体。
まずは食べるもの、眠る時間、そして“わたしを責めない”空間づくりから、静かに養生を始めてみませんか。
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シリーズ: 「感情×漢方」シリーズ