朝からだるい・動けないあなたへ|“気虚”“陽虚”体質と朝活サポート漢方
朝7時。目は覚めたのに、体が布団に沈んだまま動けない。
寝たはずなのに疲れが残っていて、頭もぼんやりしている。
「ちゃんと起きなきゃ」と思うほど、体が言うことをきかない──。
そんな朝を、あなたは何度迎えてきたでしょうか?
誰にも言えないけど、毎朝がしんどい。
そんなあなたのために、中医学の視点から“朝の不調”の原因と整え方をお伝えします。
それは“気合不足”ではなく、“体質のサイン”かもしれません
現代医学では、血液検査や画像診断で「異常なし」と言われることが多い“朝のだるさ”。
ですが、中医学ではこうした不調も重要な「体からの声」としてとらえます。
特に多いのが「気虚(ききょ)」と「陽虚(ようきょ)」という体質。
どちらも“体を動かすエネルギー”が不足している状態ですが、その中身と対策は少し異なります。
あなたはどちらのタイプ?──気虚と陽虚のセルフチェック
まずは、あなたの体が今どんな状態にあるのか、簡単に見てみましょう。
以下の表を見て、「あ、これ私かも」と思う方をチェックしてみてください。
特徴 | 気虚タイプ | 陽虚タイプ |
---|---|---|
体の状態 | 疲れやすい/声が小さい/息切れしやすい | 手足の冷え/寒がり/下痢・むくみやすい |
朝の傾向 | ぼんやりして動けない/午前中はエンジンがかからない | 布団から出たくない/寒くて動けない |
舌の様子 | 白くて淡い/歯型がつく | 白く湿った苔/むくみがち |
どちらに当てはまる項目が多かったですか?
「どちらもある」でも大丈夫。あなたの傾向に近いタイプから、整え方を始めてみましょう。
気虚タイプのあなたへ|“元気の素”を補う漢方と食養生
気虚とは、体のエネルギー(気)が足りない状態。
特に胃腸が弱っている人に多く、食べたものをうまく“エネルギー”に変えられずに疲れやすくなっています。
「朝からエンジンがかからない」「午後までぼーっとしている」──そんな方には、まず“気を補う”ことが大切です。
■ おすすめの漢方
- 補中益気湯(ほちゅうえっきとう):虚弱体質や慢性疲労に
- 六君子湯(りっくんしとう):胃腸虚弱で疲れやすい人に
■ 食事でできる“補気”
- 山芋・もち米・かぼちゃ:胃腸をいたわりながら気を補う
- 鶏肉・豆類・なつめ:朝食やおかゆにもおすすめ
■ ツボで気をチャージ
- 気海(きかい):おへその下。元気の源を補うツボ
- 中脘(ちゅうかん):胃腸機能を整える“お腹の中心”
陽虚タイプのあなたへ|“温めて巡らせる”ことがカギ
陽虚とは、体を温める力(陽気)が足りない状態。
特に「寒くて朝がつらい」「手足が冷たい」方に多く見られます。
このタイプの方は、まず“温めて動かす”ことを意識してみましょう。
■ おすすめの漢方
- 真武湯(しんぶとう):冷えやむくみ、疲れやすさに
- 腎気丸(じんきがん):下半身の冷えや頻尿など“腎陽虚”に
■ 温める食材を味方に
- 羊肉・生姜・にんにく:芯から温めてくれる食材
- くるみ・黒ごま・シナモン:腎陽を補って体を元気に
■ ツボで“陽”を育てる
- 命門(めいもん):腰の中心。“命の火”を補う要穴
- 関元(かんげん):おへそ下3寸。体の芯から温めます
“朝の習慣”を変えれば、体が少しずつ変わっていく
体質に合った漢方や食養生に加えて、毎朝の行動を少し整えるだけで、朝の不調はずいぶん軽くなるものです。
- 白湯を1杯:内臓をやさしく起こしてくれます
- ぬるめの朝風呂:特に陽虚タイプにおすすめ
- 軽いストレッチ:気の巡りをスムーズに
- 太陽を浴びる:自律神経とホルモンのリズムを整えます
まとめ|「朝がつらい」は、体からのメッセージ
気虚も陽虚も、“怠け”ではなく“体の声”です。
無理に頑張るのではなく、自分に合った方法でゆっくり整えていけばいい。
中医学の視点は、そのためのヒントをたくさんくれます。
あなたの朝が少しでもラクになりますように。
今日からできることを、ひとつずつ始めてみませんか?
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