女性に多い不調と漢方|月経・冷え・PMSにどう対応する?

女性に多い不調と漢方|月経・冷え・PMSにどう対応する?

「生理のたびに体調が悪くなる」「とにかく冷える」「イライラが止まらない」
そんな“女性特有の不調”に対して、漢方は“体質に合わせた見立て”で応えてくれます。
この記事では、月経・冷え・PMSといった代表的な女性の悩みに対する、漢方の視点とセルフケア法をやさしくご紹介します。


なぜ女性には不調が多いの?

中医学では、女性は「血(けつ)」の変動が大きい存在と考えます。
月経・妊娠・出産・更年期など、生涯にわたり“血”と“気”のバランスが大きく揺らぐため、心身の不調が出やすくなるのです。


不調①:冷え性

考えられる証と特徴

  • 陽虚: 全身が冷える/寒がり/むくみやすい
  • 気虚: 体力がなくて冷える/疲れやすい/風邪をひきやすい
  • 血虚: 手足や末端が冷える/顔色が悪い/月経量が少ない

おすすめ処方・セルフケア

  • 八味地黄丸・真武湯・当帰芍薬散
  • 温性の薬膳(しょうが、にら、黒豆)
  • ツボ:命門(腰)、足三里、三陰交

不調②:月経トラブル(痛み・不順・量が多い/少ない)

考えられる証と特徴

  • 瘀血: 生理痛が強い/血塊がある/月経が遅れる
  • 気滞: 胸やお腹が張る/イライラ/月経前に悪化
  • 血虚: 月経量が少ない/色が薄い/めまい・動悸

おすすめ処方・セルフケア

  • 桂枝茯苓丸、加味逍遥散、当帰芍薬散
  • 温める・巡らせる薬膳(紅花、なつめ、ウコン)
  • ツボ:関元、血海、太衝

不調③:PMS(月経前症候群)

考えられる証と特徴

  • 気滞: 情緒の乱れ/胸の張り/便秘
  • 肝鬱化火: イライラが激しい/顔が赤い/口が苦い
  • 心脾両虚: 不安・不眠・疲れやすい/月経後に悪化

おすすめ処方・セルフケア

  • 加味逍遥散、丹梔逍遥散、帰脾湯
  • 気を巡らせる香りの薬膳(しそ、陳皮、ミント)
  • ツボ:内関、太衝、百会

症状別処方まとめ表

症状 代表処方
冷え性 陽虚・気虚・血虚 八味地黄丸、真武湯、当帰芍薬散
月経痛/不順 瘀血・気滞・血虚 桂枝茯苓丸、加味逍遥散
PMS 気滞・肝鬱化火・心脾両虚 丹梔逍遥散、帰脾湯

まとめ:からだと心、両方を整える漢方的アプローチ

女性の不調は、単なるホルモンの変化ではなく、気・血・水・感情・生活習慣の総合バランスから起こると中医学では考えます。
だからこそ、“あなたの証”に合わせて整えることが根本解決への第一歩。
日々のセルフケアや漢方の処方で、自分らしい心身のバランスを取り戻しましょう。

▶ 続けて読む:はじめて漢方薬局に行く前に知っておきたいこと

 

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