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痛経(生理痛)をやわらげる中医学の知恵 – 温める?冷やす?
はじめに
毎月の生理痛(痛経)に悩む女性は多くいます。
中医学では、生理痛の原因を体質ごとに分析し、温めるべきか、冷やすべきかを見極めた上で対策します。この記事では、生理痛をタイプ別に理解し、適切なセルフケアと漢方的アプローチをご紹介します。
中医学で考える生理痛の原因
生理痛は、中医学では主に以下のような原因で起こるとされています:
1. 寒凝血瘀(かんぎょうけつお)タイプ
- 冷えによる痛み。温めると楽になる。
- 痛みは強く、差し込むような冷痛。
- 月経血は暗紅色で、血塊を伴う。
2. 気滞血瘀(きたいけつお)タイプ
- ストレスによる気の巡りの停滞。
- お腹が張るような脹痛、血塊あり。
- 月経前にイライラや乳房の張りがある。
3. 気血虚弱(きけつきょじゃく)タイプ
- 体力・血液の不足による鈍い痛み。
- 温めると楽になり、疲れやすい。
- 月経血は淡紅色で量が少ない。
温める?冷やす?タイプ別セルフケア
寒凝タイプは「温める」
- 温かい飲み物(生姜湯、黒糖湯)を摂る
- 腹巻やカイロでお腹を冷やさない
- 冷たい食べ物や飲み物を控える
気滞タイプは「巡らせる」
- ストレスをためない、リラックス時間を持つ
- 軽い運動やストレッチで気を巡らせる
- 香りの良い食材(陳皮、紫蘇)を食事に取り入れる
気血虚弱タイプは「補う」
- しっかり休息をとる
- 栄養価の高い温かい食事を意識する
- 黒豆、なつめ、鶏肉などで気血を養う
おすすめの漢方薬
体質に応じて、以下の漢方薬が痛経に用いられます:
- 少腹逐瘀湯(しょうふくちくおとう)
寒凝血瘀タイプに。温めながら瘀血を取り除く。 - 逍遙散(しょうようさん)
気滞タイプに。気の巡りを良くし、イライラを和らげます。 - 聖癒湯(せいゆとう)
気血虚弱タイプに。体力を補い、痛みを緩和。
まとめ
生理痛は、体質により原因も対策も異なります。
中医学では、自分の体質を知り、それに合った方法でケアすることが大切です。
温めるか、冷やすか—— その前に「自分のタイプ」を見極めて、無理のないケアを始めましょう。