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アトピー性皮膚炎と食事改善での変化|中医学の視点から見た症例アプローチ
現代社会では、食生活の欧米化やストレスの増加により、アトピー性皮膚炎に悩む方が増えています。中でも「ステロイドはなるべく使いたくない」「体の内側から整えたい」というニーズから、漢方や薬膳に関心を持つ方も多く見受けられます。
今回は、実際に私が関わった20代女性のアトピー性皮膚炎に対する食事改善と漢方アプローチの症例をご紹介します。
🩺 相談背景
ご相談者:20代女性/学生
- 幼少期からアトピー傾向あり
- 思春期以降に顔・首・肘に悪化傾向
- 市販薬と保湿を継続してきたが、近年は季節の変わり目に悪化
- 特に便秘・冷え性・生理不順も併発
🧭 中医学的な診立て
この方は以下のような中医学的所見を持っていました:
- 舌:淡紅、薄白苔、やや乾燥
- 脈:沈細、やや弱
中医弁証では「血虚兼陰虚」+「血熱」が根本にあり、「風熱夾湿」による皮膚症状が表面化していると判断しました。
💊 漢方処方と食事の見直し
まずは以下の2つの方剤を段階的に使用しました:
- 当帰飲子(とうきいんし):血虚・皮膚乾燥・かゆみに対応
- 消風散(しょうふうさん):かゆみ・湿疹の急性期対応
また、併行して「薬膳的食事改善」を提案しました:
🌿 食養生の主なポイント
- <避ける>刺激物(香辛料、アルコール、スナック菓子)
- <控える>冷たい飲食(アイス・冷水・生野菜過多)
- <取り入れる>血と潤いを補う食材(黒ごま・なつめ・白きくらげ・クコの実)
📈 経過と変化
約3ヶ月間、以下のような変化が見られました:
- 2週間後:便通が改善し、かゆみのピークが減少
- 1ヶ月後:首と肘の炎症が落ち着き、睡眠が深くなる
- 3ヶ月後:肌の乾燥感が軽減し、生理周期が安定傾向に
※一時的に症状がぶり返す場面もありましたが、その都度、体調・季節・ライフスタイルに応じて漢方を微調整しました。
📣 本人の感想
「ずっと薬ばかりに頼っていたけど、自分の食事や体質と向き合う大切さを知りました。」
「毎日“何を食べるか”で、こんなに肌が変わるとは思っていませんでした。」
「まだ波はあるけど、将来的に薬を減らせる希望が見えてきました。」
📘 まとめ:アトピーは「内側の調整」で変わる
アトピー性皮膚炎の改善には、外用薬だけでなく、体質の根本改善+食養生の視点が非常に重要です。
特に中医学では「皮膚は五臓六腑の鏡」とされ、脾・肝・肺・腎のバランスを整えることが鍵となります。
症状に合わせた方剤の使い分けと、日々の薬膳による食事管理の積み重ねで、体の内側から変化を促すことができます。
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