疲れた胃腸をやさしく支える“もち米”|脾を補い、冷えと疲れに効く薬膳素材

疲れた胃腸をやさしく支える“もち米”|脾を補い、冷えと疲れに効く薬膳素材

「食欲がない」「お腹がゆるい」「なんとなく冷える」──
そんなときに使える薬膳素材が、“もち米”です。
お祝いごとの食材という印象が強いもち米ですが、漢方では“脾(ひ)を補い、体を温め、気を養う”穀類として重宝されてきました。
この記事では、回復期や冷え・疲労がたまっている時にぴったりの、もち米の薬膳的効能とやさしい取り入れ方をご紹介します。


もち米の薬膳的プロフィール

もち米は「糯米(じょまい)」と呼ばれ、五臓の「脾」を補う力が強い穀物。
胃腸虚弱・冷え性・疲労・産後・病後などの体力回復や気血補充に活用されてきました。

漢方的分類

  • 五性:温性
  • 五味:甘味
  • 帰経:脾・胃・肺
  • 主な効能:補中益気・健脾止瀉・温中・収斂作用

もち米が合う体質・症状

体質 特徴 主な適応
脾虚体質 胃腸が弱い/軟便/疲れやすい 食欲不振・朝のだるさ・水太り
陽虚体質 冷えやすい/寒がり/元気が出ない お腹が冷える・手足が冷たい
回復期/産後 出血後・産後・病後 体力回復・胃腸の立て直し・気血補充

▶ 気虚体質の薬膳を見る

関連記事

疲れが取れないあなたへ|“気虚体質”を補う薬膳のすすめ 「寝ても疲れが取れない」「朝からだるい」「風邪をひきやすい」 そんなあなたは、もしかすると“気虚(ききょ)体質”かもしれません。 気虚とは、からだを動かすエネルギー“気”が不足し[…]

IMG

▶ 陽虚体質の冷えケアを見る

関連記事

冷えやすいあなたへ|“陽虚体質”を温める薬膳ごはん 「人より寒がり」「足が冷えて眠れない」「むくみやすい」── そんな方は、“陽虚体質(ようきょ)”の傾向があるかもしれません。 陽虚とは、体を温める力“陽気”が不足した状態のこと。この[…]

IMG

もち米の取り入れ方と簡単レシピ

調理ポイント

  • 洗って30分以上浸水 → 柔らかく炊くと消化に◎
  • 粥・雑炊・おこわ・団子・スープのとろみ付けに
  • 胃腸虚弱の方は“少量から”が基本

おすすめレシピ:なつめと山芋のもち米がゆ

材料(2人分)

  • もち米:1/2合
  • なつめ:2粒(種を除いて刻む)
  • 山芋:50g(角切り)
  • 水:600ml
  • 塩:少々

作り方

  1. もち米と水、なつめを鍋に入れ、弱火でとろとろに煮る
  2. 仕上げに山芋を加えて少し煮込み、塩で整える

胃腸にやさしく、朝の補気・補血にぴったりの一杯です。


併用したい素材とセルフケア

相性の良い素材

  • 山芋:健脾補気/胃腸ケアに相乗効果
  • くるみ:補腎・補陽・疲労回復に
  • しょうが:内側から温めたいときに

おすすめのツボ

  • 中脘(ちゅうかん):みぞおちとへその間/胃の疲れに
  • 足三里(あしさんり):胃腸・気力の補充に万能

まとめ:温めて補う“やさしい主食”

もち米は、薬膳の世界で「温めながら補う穀物」として古くから親しまれています。
疲れたとき、食欲がないとき、なんだか落ち着かないとき…。
そんな日に、やさしい一椀のもち米料理を。
あなたの体に“気と温かさ”を、そっと戻してくれることでしょう。

▶ 薬膳セルフケア記事一覧を見る

関連記事

体質から選ぶ薬膳セルフケア|不調別・食材で整える中医学の知恵 「薬膳って、何をどう食べればいいの?」 そんな疑問に応えるために、このページでは体質別・不調別に食材を選ぶ薬膳セルフケアをわかりやすくご紹介します。 漢方の視点から、あなた[…]

IMG

この記事の分類

対象者: 健康志向
error: このコンテンツのコピーは禁止されています。