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鼻炎・花粉症──「肺・脾・腎」の弱りが引き起こすアレルギー症状
くしゃみ、鼻水、鼻づまり……
毎年春になると悩まされる花粉症。慢性鼻炎に苦しむ人も少なくありません。
中医学ではこうした鼻の不調は、単なる外的刺激だけでなく、肺・脾・腎の機能低下や「風・寒・熱・湿」などの外邪侵入との関係で捉えます。
🌿 中医学で見る「鼻」と関係の深い臓腑
| 臓腑 | 主な働き | 鼻との関係 |
|---|---|---|
| 肺 | 宣発・粛降を司り、気をめぐらせる | 「肺は鼻に開竅す」──鼻粘膜の防御力を主る |
| 脾 | 水湿の運化・気血の生成 | 水分代謝の乱れが痰湿を生じ、鼻づまりに |
| 腎 | 肺と通じ、水を主る | 腎陽不足→肺機能低下→慢性鼻炎体質に |
🩺 よくある「証」と鼻の不調の関係
- 透明な鼻水・くしゃみ・寒がり → 肺気虚・風寒犯肺
- 粘っこい鼻水・鼻づまり・のぼせ → 風熱犯肺・肺熱上炎
- 慢性化・鼻づまり・嗅覚低下 → 脾虚・腎陽虚
🧭 関連する経絡と流注の特徴
- 手の太陰肺経: 鼻孔周囲に終わり、外邪の侵入と深く関係。
- 手の陽明大腸経: 鼻の外側(迎香)に至る。鼻閉や充血に影響。
- 足の陽明胃経: 鼻根部に流注あり。湿熱や痰濁に対応。
- 督脈: 鼻柱を通る。免疫調節・体力全体の底上げにも。
💡 鼻炎・花粉症に効果的なツボ
| ツボ名 | 経絡 | 作用 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 迎香(げいこう) | 大腸経 | 鼻閉・鼻水に即効性 | 小鼻の外側のくぼみ |
| 印堂(いんどう) | 督脈 | 鼻づまり・集中力低下に | 眉間の中央 |
| 上星(じょうせい) | 督脈 | 鼻閉・頭重感 | 髪の生え際から1寸上 |
| 合谷(ごうこく) | 大腸経 | 全身の免疫調整・鼻づまり | 手の甲、親指と人差し指の間 |
| 足三里(あしさんり) | 胃経 | 水湿代謝を促進・全身強化 | 膝下外側 |
🌿 よく用いられる漢方処方
- 小青竜湯: 水様鼻汁・くしゃみに。風寒+痰飲タイプに。
- 荊芥連翹湯: 慢性鼻炎・蓄膿体質に。化膿傾向や皮膚炎も併発する人に。
- 葛根湯加川芎辛夷: 鼻閉・花粉症に汎用。風寒型に。
- 辛夷清肺湯: 湿熱・粘性鼻水・鼻閉に。体力ある人向け。
🧘♀️ セルフケアのヒント
- 小鼻の両側の迎香ツボを数回ゆっくり指圧
- 蒸しタオルで目・鼻・頬を温めることで経絡刺激
- アレルギーを悪化させないよう甘いもの・乳製品を控える
- 睡眠を十分に取り、免疫力を整える
🔚 まとめ
鼻の症状は中医学的に肺・脾・腎の虚弱や外邪の侵入が背景にあります。
「ツボ・経絡・漢方・生活改善」──この4本柱で対応することで、薬だけに頼らず、体質そのものを整えていく道が見えてきます。
次回は「咳・喘息」についてご紹介いたします。