【症状別に見る経絡とツボシリーズ|第10回】:肌荒れ・にきびは「肺」「胃」「大腸」の不調?──皮膚にあらわれる内臓の声

肌荒れ・にきびは「肺」「胃」「大腸」の不調?──皮膚にあらわれる内臓の声

「スキンケアを変えても治らない」「ストレスで肌が荒れる」──

そんな経験はありませんか?

中医学では肌トラブルは肺・胃・大腸といった内臓の状態を映し出す「鏡」と捉えます。
今回は、皮膚と経絡の深い関係に迫ります。

 

 

🧠 Case:20代女性、フェイスラインに繰り返すにきび

便秘気味で、油っぽいものが好き。
夜更かしが多く、フェイスラインに吹き出物が出やすい──
これは中医学でいう肺胃湿熱大腸実熱肝鬱化火の可能性があります。

 

 

📚 中医学における肌トラブルの証候分類

  • 肺熱:顔全体の赤み・にきび・乾燥肌。風邪を引きやすい。
  • 胃熱:口周りのにきび、脂っぽい肌、口臭、食欲過多。
  • 大腸実熱:便秘・下腹部の張り・赤みの強いにきび。
  • 肝鬱化火:ストレスからくる赤にきび・生理前に悪化。

関連する経絡は手の太陰肺経・足の陽明胃経・手の陽明大腸経・足の厥陰肝経などです。

 

🔍 関連する経絡とツボ

🔸 手の太陰肺経

  • 列欠(れっけつ):肺の宣発・皮膚の乾燥に。

🔸 足の陽明胃経

  • 足三里(あしさんり):胃の熱を下げる。肌全体のトーン改善にも。
  • 内庭(ないてい):胃熱を冷ます。特に口周りのにきびに効果的。

🔸 手の陽明大腸経

  • 合谷(ごうこく):毒を排出する万能ツボ。便秘や肌荒れに。

🔸 足の厥陰肝経

  • 太衝(たいしょう):ストレスによる炎症・赤にきびに。

 

 

👐 セルフケアと養生法

  • 便通の改善:毎朝白湯、食物繊維と発酵食品を意識。
  • 胃熱を避ける食事:揚げ物・辛いものを控える。
  • スキンケア+内臓ケア:外側と内側の両面アプローチ。

 

 

🌿 肌荒れ・にきびに用いられる漢方方剤

  • 清上防風湯(せいじょうぼうふうとう):顔の赤にきび・熱証タイプに。
  • 荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう):思春期のにきび、慢性皮膚炎にも。
  • 防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん):肥満気味で便秘を伴うにきびに。
  • 加味逍遙散(かみしょうようさん):ストレス性・生理前の肌荒れに。

 

 

📝 まとめ

肌に現れるトラブルは、単なるスキンケア不足ではなく、内臓のサインであることが多いのです。
中医学では「肺は皮毛を司る」「胃は皮膚の栄養源」「大腸は排泄の出口」として、皮膚トラブルに経絡からアプローチします。

次回は「むくみ・水太り」について、経絡からの視点で深掘りしてまいります。

 

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