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肌荒れ・にきびは「肺」「胃」「大腸」の不調?──皮膚にあらわれる内臓の声
「スキンケアを変えても治らない」「ストレスで肌が荒れる」──
そんな経験はありませんか?
中医学では肌トラブルは肺・胃・大腸といった内臓の状態を映し出す「鏡」と捉えます。
今回は、皮膚と経絡の深い関係に迫ります。
🧠 Case:20代女性、フェイスラインに繰り返すにきび
便秘気味で、油っぽいものが好き。
夜更かしが多く、フェイスラインに吹き出物が出やすい──
これは中医学でいう肺胃湿熱や大腸実熱、肝鬱化火の可能性があります。
📚 中医学における肌トラブルの証候分類
- 肺熱:顔全体の赤み・にきび・乾燥肌。風邪を引きやすい。
- 胃熱:口周りのにきび、脂っぽい肌、口臭、食欲過多。
- 大腸実熱:便秘・下腹部の張り・赤みの強いにきび。
- 肝鬱化火:ストレスからくる赤にきび・生理前に悪化。
関連する経絡は手の太陰肺経・足の陽明胃経・手の陽明大腸経・足の厥陰肝経などです。
🔍 関連する経絡とツボ
🔸 手の太陰肺経
- 列欠(れっけつ):肺の宣発・皮膚の乾燥に。
🔸 足の陽明胃経
- 足三里(あしさんり):胃の熱を下げる。肌全体のトーン改善にも。
- 内庭(ないてい):胃熱を冷ます。特に口周りのにきびに効果的。
🔸 手の陽明大腸経
- 合谷(ごうこく):毒を排出する万能ツボ。便秘や肌荒れに。
🔸 足の厥陰肝経
- 太衝(たいしょう):ストレスによる炎症・赤にきびに。
👐 セルフケアと養生法
- 便通の改善:毎朝白湯、食物繊維と発酵食品を意識。
- 胃熱を避ける食事:揚げ物・辛いものを控える。
- スキンケア+内臓ケア:外側と内側の両面アプローチ。
🌿 肌荒れ・にきびに用いられる漢方方剤
- 清上防風湯(せいじょうぼうふうとう):顔の赤にきび・熱証タイプに。
- 荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう):思春期のにきび、慢性皮膚炎にも。
- 防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん):肥満気味で便秘を伴うにきびに。
- 加味逍遙散(かみしょうようさん):ストレス性・生理前の肌荒れに。
📝 まとめ
肌に現れるトラブルは、単なるスキンケア不足ではなく、内臓のサインであることが多いのです。
中医学では「肺は皮毛を司る」「胃は皮膚の栄養源」「大腸は排泄の出口」として、皮膚トラブルに経絡からアプローチします。
次回は「むくみ・水太り」について、経絡からの視点で深掘りしてまいります。