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むくみ・水太りの原因は“脾”と“腎”?──水はけの悪さを経絡で整える
「夕方になると足がパンパン」「顔や指が朝からむくむ」──
そんなむくみにお悩みではありませんか?
中医学では、むくみの原因を脾の運化機能の低下や腎の水分代謝機能の弱りと捉え、経絡を通して「水の巡り」を整えるアプローチをとります。
🧠 Case:40代女性、立ち仕事で足がむくむ+体重が増加傾向
夕方になると足が重く、靴がきつく感じる。
身体が冷えやすく、最近体重も増えてきた──
これは中医学でいう脾虚湿盛や腎陽虚の可能性があります。
📚 中医学におけるむくみの証候分類
- 脾虚湿盛:甘いものの摂りすぎ・胃腸虚弱。全身の重だるさ・むくみ。
- 腎陽虚:冷え・頻尿・腰の重さを伴うむくみ。特に下半身。
- 肺気虚:顔や上半身に水がたまる。風邪をひきやすい。
関連する経絡は足の太陰脾経・足の少陰腎経・手の太陰肺経・足の陽明胃経などです。
🔍 関連する経絡とツボ
🔸 足の太陰脾経
- 陰陵泉(いんりょうせん):湿をさばく代表ツボ。足のむくみに。
- 三陰交(さんいんこう):脾・腎・肝の交会穴。下半身の水はけ改善。
🔸 足の少陰腎経
- 太渓(たいけい):腎陽を補う。下半身の冷えとむくみに。
🔸 手の太陰肺経
- 列欠(れっけつ):肺気を補い、体表の水分代謝を促す。
🔸 足の陽明胃経
- 足三里(あしさんり):消化吸収と運化を高め、むくみを根本から改善。
👐 セルフケアと養生法
- 温かい飲み物を中心に:冷たいものは脾腎を弱め、むくみを助長します。
- 軽い運動と足湯:足の経絡を刺激し、水分代謝を促す。
- 味の濃いものを控える:塩分過多はむくみのもと。
🌿 むくみに用いられる漢方方剤
- 防己黄耆湯(ぼういおうぎとう):水太り・下肢のむくみに。
- 五苓散(ごれいさん):水分代謝を整える代表処方。
- 苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう):腎陽虚による水滞に。
- 真武湯(しんぶとう):冷えとともに出るむくみに効果的。
📝 まとめ
むくみは、ただの「水分のとりすぎ」や「塩分過多」と考えられがちですが、中医学では脾・腎・肺の機能低下が根本にあると捉えます。
ツボ・生活習慣・食事の見直しで、体内の水の巡りを整えましょう。
次回は「目」について、経絡の視点から掘り下げてまいります。