【症状別に見る経絡とツボシリーズ|第12回】:目の疲れ・ドライアイ──肝血と津液の不足が“眼”にあらわれるとき

目の疲れ・ドライアイ──肝血と津液の不足が“眼”にあらわれるとき

目が乾く、しょぼしょぼする、ピントが合いにくい──。
中医学ではこうした「目のトラブル」を、単なる疲れ目や年齢のせいとは捉えず、肝・腎・心などの臓腑と経絡のアンバランスから読み解きます。

 

 

👁 中医学で見る“目”と臓腑の関係

関連臓腑 主な役割 目との関係
血を貯え疏泄を主る 「肝は目に開竅す」──目の栄養と直結
精を蔵し成長・老化を司る 「腎精は瞳孔に通じる」──視力と関係
神を主る 視覚の明晰さ、集中力に関係
気血の源を生む 肝を助け、間接的に視力を支える

 

 

📌 よくある目の不調と「証」分類

  • 目が乾く・疲れやすい → 肝血虚・肝陰虚
  • 目のかすみ・ピントが合わない → 肝腎陰虚・肝火上炎
  • 目の充血・痛み → 肝火上炎・風熱犯目
  • 光をまぶしく感じる → 陰虚火旺・肝陽上亢

 

 

🧭 関連する経絡と目とのつながり

  • 肝経:「肝は目に開竅す」。肝血不足は目の栄養不足に。
  • 腎経: 腎精不足は視力低下や老化現象に関与。
  • 膀胱経: 頭部から目の周囲に走行。眼精疲労と関係。
  • 小腸経・三焦経: 目の外側(瞳子髎)に至る。炎症や疲労と関係。

 

 

✨ おすすめの経穴(ツボ)

ツボ名 所属経絡 作用 部位
睛明(せいめい) 膀胱経 目の疲れ・かすみ・充血 目頭と鼻の間のくぼみ
太衝(たいしょう) 肝経 肝気を巡らせる・緊張型眼精疲労 足の親指と人差し指の間
瞳子髎(どうしりょう) 胆経 目の外側の痛みや疲労 目尻の少し外
太渓(たいけい) 腎経 腎精を補い目の栄養に 内くるぶしとアキレス腱の間
合谷(ごうこく) 大腸経 眼精疲労・自律神経バランスにも 手の甲、親指と人差し指の間

 

 

🌿 目の不調に用いられる漢方薬

  • 杞菊地黄丸: 肝腎陰虚による視力低下・目の乾きに。
  • 加味逍遙散: 肝鬱化火+ストレス+目の不調に。
  • 養肝明目湯: 肝血虚タイプに。滋養と目の機能改善に。

※使用は必ず専門家の指導のもとで行ってください。

 

 

🧘‍♀️ セルフケアのヒント

  • 就寝前に蒸しタオルで目を温め、気血の巡りを促進
  • スマホ・PC作業は45分に1回休憩
  • 遠くを見る時間を1日10分以上確保
  • 夜ふかしやブルーライトの過剰接触を減らす

 

 

🔚 まとめ

目の不調は単なる使い過ぎだけでなく、肝血・腎精の不足や気の停滞の表れかもしれません。
ツボ押しや養生で巡りを促しつつ、根本から整える視点が大切です。
次回は「鼻炎・花粉症」について、経絡との関連から解説いたします。

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