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目の疲れ・ドライアイ──肝血と津液の不足が“眼”にあらわれるとき
目が乾く、しょぼしょぼする、ピントが合いにくい──。
中医学ではこうした「目のトラブル」を、単なる疲れ目や年齢のせいとは捉えず、肝・腎・心などの臓腑と経絡のアンバランスから読み解きます。
👁 中医学で見る“目”と臓腑の関係
| 関連臓腑 | 主な役割 | 目との関係 |
|---|---|---|
| 肝 | 血を貯え疏泄を主る | 「肝は目に開竅す」──目の栄養と直結 |
| 腎 | 精を蔵し成長・老化を司る | 「腎精は瞳孔に通じる」──視力と関係 |
| 心 | 神を主る | 視覚の明晰さ、集中力に関係 |
| 脾 | 気血の源を生む | 肝を助け、間接的に視力を支える |
📌 よくある目の不調と「証」分類
- 目が乾く・疲れやすい → 肝血虚・肝陰虚
- 目のかすみ・ピントが合わない → 肝腎陰虚・肝火上炎
- 目の充血・痛み → 肝火上炎・風熱犯目
- 光をまぶしく感じる → 陰虚火旺・肝陽上亢
🧭 関連する経絡と目とのつながり
- 肝経:「肝は目に開竅す」。肝血不足は目の栄養不足に。
- 腎経: 腎精不足は視力低下や老化現象に関与。
- 膀胱経: 頭部から目の周囲に走行。眼精疲労と関係。
- 小腸経・三焦経: 目の外側(瞳子髎)に至る。炎症や疲労と関係。
✨ おすすめの経穴(ツボ)
| ツボ名 | 所属経絡 | 作用 | 部位 |
|---|---|---|---|
| 睛明(せいめい) | 膀胱経 | 目の疲れ・かすみ・充血 | 目頭と鼻の間のくぼみ |
| 太衝(たいしょう) | 肝経 | 肝気を巡らせる・緊張型眼精疲労 | 足の親指と人差し指の間 |
| 瞳子髎(どうしりょう) | 胆経 | 目の外側の痛みや疲労 | 目尻の少し外 |
| 太渓(たいけい) | 腎経 | 腎精を補い目の栄養に | 内くるぶしとアキレス腱の間 |
| 合谷(ごうこく) | 大腸経 | 眼精疲労・自律神経バランスにも | 手の甲、親指と人差し指の間 |
🌿 目の不調に用いられる漢方薬
- 杞菊地黄丸: 肝腎陰虚による視力低下・目の乾きに。
- 加味逍遙散: 肝鬱化火+ストレス+目の不調に。
- 養肝明目湯: 肝血虚タイプに。滋養と目の機能改善に。
※使用は必ず専門家の指導のもとで行ってください。
🧘♀️ セルフケアのヒント
- 就寝前に蒸しタオルで目を温め、気血の巡りを促進
- スマホ・PC作業は45分に1回休憩を
- 遠くを見る時間を1日10分以上確保
- 夜ふかしやブルーライトの過剰接触を減らす
🔚 まとめ
目の不調は単なる使い過ぎだけでなく、肝血・腎精の不足や気の停滞の表れかもしれません。
ツボ押しや養生で巡りを促しつつ、根本から整える視点が大切です。
次回は「鼻炎・花粉症」について、経絡との関連から解説いたします。