落ち込みやすい・やる気が出ない人は「気虚・血虚」タイプ?|体から整えるメンタル養生
「理由もなく気分が落ち込む」「やる気が出ず、何も手につかない…」
そんな“こころの不調”を感じたとき、あなたはどう向き合っていますか?
現代では「うつっぽい」「エネルギーが湧かない」という訴えが増えていますが、
中医学(東洋医学)では、こうした状態を「気虚(ききょ)」や「血虚(けっきょ)」と呼ばれる体質の乱れとして捉えます。
この記事では、心と体を一体として見る中医学の視点から、落ち込みやすさ・無気力の背景にある体質傾向を解説し、
体から整えるための漢方・薬膳・セルフケアの方法をご紹介いたします。
なぜ「気虚・血虚」だと気分が落ちるのか?
中医学では、気は生命エネルギー・血は精神の栄養とされています。
気が不足すると「元気が出ない・集中できない」
血が不足すると「不安・不眠・情緒不安定」といった症状が現れやすくなります。
つまり、「何もしたくない」「理由もなく落ち込む」状態は、
“心の不調”ではなく、“体のエネルギー不足”のサインかもしれません。
気虚・血虚タイプ|セルフチェック
- すぐ疲れる・息切れしやすい
- 朝からだるい・やる気が出ない
- 顔色が青白い・唇が淡い
- 冷え性・手足が冷たい
- 動悸・不安・眠りが浅い
- 月経量が少ない・無月経
これらに複数当てはまる方は、気血両虚(きけつりょうきょ)タイプかもしれません。
気虚・血虚タイプに用いられる代表的な漢方処方
① 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
慢性疲労・気力の低下・気虚体質の代表処方。
② 十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)
気と血の両方を補い、元気と精神安定をサポート。
③ 加味帰脾湯(かみきひとう)
不安・落ち込み・不眠・食欲低下に。心脾両虚タイプ向け。
④ 桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
虚弱・動悸・不安感に。陰陽バランスの乱れを整える。
気と血を補う薬膳素材
1. 気を補う食材(補気)
- 山芋・じゃがいも・もち米
- 鶏肉・豆腐・大豆
- なつめ・はとむぎ
2. 血を補う食材(補血)
- ほうれん草・黒ごま・レバー
- クコの実・卵・ぶどう
おすすめレシピ
- 鶏肉と山芋の煮物
- なつめとクコの実入り雑穀がゆ
- 黒ごま入り卵焼き・小松菜のおひたし
生活でできるメンタル養生
1. ゆるやかな朝時間を作る
- 起きたら白湯を飲む
- 朝日を浴びて気を巡らせる
2. 疲れる前に休む
- 体力の蓄積が大切
- 無理をしないスケジュール管理を
3. 自分の「好き」を取り戻す
- 香り・音・景色など五感を喜ばせることを日常に
まとめ|「落ち込む・やる気が出ない」は体の声かも
「なにもしたくない」「なぜか悲しい」
こうした心の変化は、単なる“心の問題”ではなく、
気と血の不足=エネルギーと栄養の不調和である可能性があります。
中医学では、気と血のバランスを整えることで、
気分が自然に上向く土台づくりを目指します。
「がんばらなきゃ」ではなく、「まずは整えよう」という視点で、
こころとからだの調和を取り戻してみませんか?