【中薬×処方読解:第17回】五苓散を構成から読み解く─水毒に迫る利水通陽のシンプル構造

【第17回】五苓散を構成から読み解く──水毒に迫る利水通陽のシンプル構造

五苓散は、水の巡りを整え、浮腫・頭重感・口渇・下痢など「水毒」に関わる症状を改善する代表的な利水方です。猪苓・沢瀉・茯苓などの配伍構造とその作用を読み解きます。

 

 

 

🌿 処方の全体像:五味で「水」をさばく

五苓散は以下の5味で構成されています:

  • 👑 君薬:沢瀉(たくしゃ)
  • 🧠 臣薬:猪苓(ちょれい)、茯苓(ぶくりょう)
  • 🛡 佐薬:白朮(びゃくじゅつ)
  • 🔗 使薬:桂枝(けいし)

利水・健脾・発汗・温陽をバランス良く組み合わせ、水の停滞(湿邪)に対応します。

 

 

 

👑 君薬:沢瀉──余分な水を排出する主軸

沢瀉は、利尿作用に優れた代表的な利水薬。
体内の余分な水分を排出し、浮腫・尿量減少・口渇などに対応します。

 

 

 

🧠 臣薬:猪苓・茯苓──利水と脾のサポート

  • 猪苓:沢瀉と協力し、より力強い利尿作用を発揮
  • 茯苓:利水だけでなく、脾を健やかにして再吸収のバランスを調整

単に「出す」だけでなく、再吸収と巡りの調整も意識した構成です。

 

 

 

🛡 佐薬:白朮──脾虚を補って水湿の根を断つ

白朮は、脾を補い、水分代謝機能の土台を整えます。
水湿がたまりやすい体質のベース改善に寄与します。

 

 

 

🔗 使薬:桂枝──陽気を助け、水を動かす

桂枝は、表の寒を散らし、陽気の発散によって水の巡りを促進します。
「温通」の力で寒湿を外に追いやる補助的役割も担います。

📈 配伍構造:湿邪・水毒に対する戦略的利水方

五苓散は、水の偏在によって生じる多様な症状──めまい・浮腫・尿量減少・下痢──に対応。
中医学の「水毒」概念を体現したシンプルかつ実践的な方剤です。

 

 

 

 

📘 まとめ|利水通陽の基本骨格を学ぶ

五苓散は、体内の水分バランス異常による諸症に広く使われる名方です。
水毒の概念を理解する入口として、必ず押さえておきたい処方の一つです。

本シリーズでは、他の代表処方も構成中薬から読み解いております。
ぜひ下記より他の記事もご覧いただき、理解を深めてください。

 

 

 

 

🔧 補足情報

  • 📘 本記事の内容は、中医学の標準理論と臨床実践に基づき、教育的観点から整理・構成しています。
  • 🧪 君臣佐使や臨床鑑別に関する表現は、複数の中医薬文献の知見を統合した構造的理解を重視しています。
  • 📚 引用・参考文献の詳細は、参考文献一覧ページをご覧ください。

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