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運動不足でむくみやすい人へ|“水滞・気滞”体質を整える漢方習慣
「夕方になると足がパンパン」「顔や手がむくんで重だるい」
こうしたお悩みをお持ちの方、もしかするとそれは運動不足だけが原因ではないかもしれません。
中医学(東洋医学)では、体内の「水(すい)」の巡りが滞った状態を“水滞(すいたい)”と呼びます。
また、気(き)がスムーズに流れず、体全体が“詰まったような感覚”になる状態を“気滞(きたい)”といいます。
この記事では、「むくみ・だるさ・動かない生活」に悩む方に向けて、
体質改善につながる漢方処方と薬膳、セルフケア法をご紹介します。
むくみやすさの原因とは?中医学での見方
西洋医学ではむくみは「血行不良」や「リンパの滞り」とされますが、
中医学では以下のように原因を分けて考えます:
- 水滞:水の巡りが悪く、余分な水分が溜まる
- 気滞:気の巡りが悪く、水の流れを押し出す力が弱い
- 脾虚:消化吸収がうまくいかず、水分代謝が低下している
つまり、運動不足+脾虚+ストレスが合わさることで、むくみが慢性化しやすくなります。
セルフチェック|あなたの“水滞・気滞”タイプ
- 運動不足が続いている
- むくみやすく、体がだるい
- 食後にお腹が張る、ゲップが出やすい
- 胸や喉が詰まった感じがする
- 気分の浮き沈みが激しい
- 冷え・手足の冷たさを感じる
複数当てはまる方は、水滞・気滞体質の可能性があります。
むくみに対応する代表的な漢方処方
① 防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
水太り・むくみ・下半身の重だるさに。運動不足+汗かきに対応。
② 苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)
水分代謝の不良によるめまい・浮腫・動悸などに。
③ 五苓散(ごれいさん)
体内の余分な水分を取り除き、むくみ・頭重・排尿障害に効果的。
④ 香蘇散(こうそさん)
気滞+水滞タイプで、気分の落ち込み・むくみ・胃の重さに。
水の巡りを整える薬膳素材
1. 利水・健脾の食材
- はとむぎ・冬瓜・とうもろこしのひげ
- 小豆・きゅうり・大根
2. 気を巡らせる食材
- 陳皮(みかんの皮)・しそ・しょうが
- 春菊・たまねぎ・三つ葉
おすすめレシピ
- はとむぎ入り雑穀ごはん+大根としその味噌汁
- 冬瓜と鶏肉のさっぱり煮
- 陳皮と春菊の香り和え
生活でできるむくみ対策
1. 朝に白湯を1杯
- 代謝を刺激し、利水・排尿を促進
2. 深呼吸+ゆるやかな運動
- ウォーキングやラジオ体操、椅子ヨガでもOK
- 呼吸で「気」を動かすイメージが大切
3. 半身浴・足湯で温める
- 汗をかきにくい人は、毎日湯船でじっくりと
まとめ|「動かない」と「巡らない」はセットでやってくる
むくみや重だるさは、「水の滞り」=代謝と気の停滞です。
漢方では、単に「水を抜く」のではなく、
脾を強めて水をさばく力を取り戻し、気を巡らせて内側から改善することを大切にします。
「むくむから動けない」ではなく、
「巡らせて、整えて、また動けるように」するのが漢方的アプローチ。