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夜型生活で自律神経が乱れている?|“肝陰虚・腎虚”体質の漢方的整え方
「夜ふかしがやめられない」「日中にぼーっとする」「寝ても疲れが取れない」
そんな生活を続けていませんか?
現代の夜型ライフスタイルは、仕事やスマホ・SNSの影響でどんどん常態化しています。
しかし中医学(東洋医学)では、夜の過ごし方は“生命力”に直結する重要な時間と考えられています。
本記事では、夜型生活が自律神経や体質に及ぼす影響をわかりやすく解説し、
肝陰虚・腎虚タイプに向けた漢方・薬膳・生活改善のヒントをお届けします。
なぜ夜型生活で不調が起こるのか?
中医学では、夜の時間は「肝」と「腎」が最も活発になる時間帯。
夜23時〜3時は“肝血を貯蔵し、腎精を回復させる”いわば“体の修復タイム”です。
夜ふかしによってこの時間に眠らないと、
- 自律神経のバランスが崩れる
- 肝の疏泄(気の流れを整える働き)が乱れる
- 腎精(生命エネルギー)が消耗する
これが「肝陰虚・腎虚」という体質傾向を生み出し、慢性的な不調へとつながるのです。
セルフチェック|肝陰虚・腎虚タイプ
- 目の疲れ・乾燥・かすみ
- 耳鳴り・集中力の低下
- のぼせ・顔のほてり・寝汗
- 不眠・寝つきが悪い・夢が多い
- 腰・膝のだるさ・慢性疲労
- 性機能の低下・老化の進行感
これらの症状が複数ある方は、「肝陰虚」「腎虚」タイプの可能性があります。
肝陰虚・腎虚に使われる代表的な漢方処方
① 杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)
目の疲れ・肝腎陰虚に。視力低下・頭のぼせなどに効果的。
② 六味地黄丸(ろくみじおうがん)
腎陰虚の代表処方。疲労感・頻尿・のぼせ・イライラなどに。
③ 天王補心丹(てんのうほしんたん)
陰虚による不眠・不安・集中力の低下などに対応。
④ 知柏地黄丸(ちばくじおうがん)
のぼせ・寝汗・ほてりなどの虚熱症状があるときに。
肝腎を補う薬膳素材
1. 肝血・腎精を養う食材
- 黒ごま・黒豆・山芋・くるみ・きくらげ
- ブルーベリー・クコの実・なつめ・卵黄
2. 陰を養う食材
- 白きくらげ・百合根・豆腐・麦門冬
おすすめレシピ
- 黒ごまとクコの実のおかゆ
- 山芋と鶏肉のとろとろスープ
- 百合根と黒豆のやさしい蒸し煮
生活習慣で取り組めること
1. 就寝は23時までを目標に
- 難しい場合でも「スマホ断ち」や「照明を暗くする」などで体内時計をリセット
2. 寝る前の「目と頭のクールダウン」
- 目の温湿布+深呼吸・アロマ(ラベンダー・サンダルウッド)
3. 朝起きたら「白湯と日光」で陰陽を切り替える
- 夜の陰気をリセットし、陽気を引き出す起点に
まとめ|夜の使い方が「生命エネルギー」を左右する
「夜型でも平気」と思っていても、実は少しずつ体が蝕まれているかもしれません。
肝陰虚・腎虚タイプは、知らず知らずのうちに“補う力”が弱くなっており、
「寝ても疲れが取れない」「年齢以上に老化を感じる」といった感覚につながります。
漢方や薬膳は、乱れたリズムをゼロから整えるための優しい手段です。
できるところから、少しずつ生活を“陽の時間軸”に戻していきましょう。