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🔥 黄芩（おうごん）｜熱と湿を鎮め、体の炎症を断つ中薬
黄芩（おうごん）は、シソ科のコガネバナの根を乾燥させた中薬で、清熱燥湿・瀉火解毒・止血・安胎など多彩な効能をもつ「清熱薬」の代表格です。
上焦から下焦まで広く作用し、咳・下痢・黄疸・出血・妊娠トラブルなど、現代の“熱と炎症”に幅広く対応します。
🧾 基本情報
- 名称：黄芩（おうごん）
- 英名：Baikal Skullcap Root
- 学名：Scutellaria baicalensis
- 使用部位：根
- 性味：苦／寒
- 帰経：肺・胆・脾・胃・大腸・小腸経
- 分類：清熱燥湿薬（清熱薬）
🌿 主な効能と中医学的働き
黄芩は「上熱・中熱・下熱」すべてに対応できる清熱薬であり、特に湿熱・肺熱・腸熱・胎熱に優れた効果を示します。
- 清熱燥湿： 胃腸や胆の湿熱による下痢・嘔吐・黄疸・口苦に。
- 瀉火解毒： 肺熱・咽痛・発熱・喀血・鼻出血・皮膚炎などの炎症性疾患に。
- 止血： 血熱による出血（吐血・血尿・鼻血など）を冷やして抑える。
- 安胎： 胎熱による不正出血・流産傾向のある妊娠中の熱証に。
📚 応用される処方例と役割
- 黄連解毒湯： 実熱による高熱・不眠・出血に。四黄の一角として。
- 小柴胡湯： 柴胡とともに少陽病（半表半裏）を整える。
- 白頭翁湯： 腸熱性の下痢・血便に。清熱燥湿・止血の役割。
- 温清飲： 虚熱と実熱が混在する婦人科疾患に。安胎・止血の補助役。
🧪 成分と現代医学的知見
- バイカリン（Baicalin）・バイカレイン： 抗炎症・抗ウイルス・抗酸化
- 抗菌作用： 肺炎球菌、インフルエンザ、腸内病原菌などへの抑制
- 肝機能保護： 肝炎ウイルスや薬物性障害に対して効果が期待される
📖 古典における記載
『神農本草経』：「上品」として記載。「熱を去り、肺を清め、胎を安んず」
『本草綱目』：「湿熱・肝胆熱・胃腸熱・血熱」に用いられ、咳止め・出血・胎熱治療に広く適応。
⚠️ 注意点と禁忌
- 虚寒体質： 消化器の冷え・虚弱・冷え性の方には不適
- 長期使用： 胃腸障害や冷えの悪化リスクあり
📝 まとめ
黄芩は、肺から大腸、そして子宮まで──あらゆる「熱と湿」を取り除き、炎症を鎮める頼れる中薬です。
風邪・下痢・出血・黄疸・妊娠トラブルなど、熱と毒を伴う多くの不調に幅広く活躍します。
苦寒でありながら、配伍次第で実熱にも虚熱にも対応できる汎用性の高さが、黄芩の真骨頂といえるでしょう。
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最後までお読みいただき、ありがとうございます。黄芩の特徴について理解が深まりましたら幸いです。
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