🌿 紫蘇葉(しそよう)|冷えの風邪と胃の不調を和らげる、やさしき温散薬
紫蘇葉(しそよう)は、シソ科の一年草・シソ(Perilla frutescens)の葉を乾燥させた中薬で、発表散寒・行気寛中・安胎・解毒といった効能を持ちます。
風寒による初期のかぜ症状、胃の張りや吐き気、さらに妊娠初期の不安定感にも対応できる、やさしく多用途な生薬です。
🧾 基本情報
- 名称:紫蘇葉(しそよう)
- 英名:Perilla Leaf
- 学名:Perilla frutescens
- 使用部位:葉(生または乾燥)
- 性味:辛・温
- 帰経:肺・脾経
- 分類:辛温解表薬
🌿 主な効能と中医学的働き
紫蘇葉は「気を発散し、胃を整え、胎を安じる」という特徴的な薬効を持ち、消化器と表証(風寒)の両方に対応できる万能薬です。
- 発表散寒: 風寒による初期の感冒(悪寒、無汗、軽い咳)に。
- 行気寛中: 胃のもたれ・腹部膨満・吐き気・げっぷに。
- 解魚蟹毒: 海産物による食あたり・アレルギー反応に。
- 安胎: 妊娠初期のつわり・不安定感の改善に。
辛温性が穏やかで補助的に使いやすく、体力のない人や妊婦にも安心して用いられます。
📚 応用される処方例と役割
- 香蘇散: 虚弱者の風寒感冒に。紫蘇葉が主薬となり、表寒を和らげる。
- 参蘇飲: 脾虚・胃虚がある人の風寒感冒に。気を補いながら解表。
- 紫蘇葉単味: 妊娠悪阻や食あたり時に単独で使用されることも。
紫蘇葉は体調が弱っている人の「初期風邪」に向く数少ない生薬であり、特に妊娠中の不調に配慮した処方にも頻繁に登場します。
🧪 成分と現代医学的知見
- ペリルアルデヒド: 鎮静・抗炎症・芳香健胃作用
- リモネン・ロズマリン酸: 抗アレルギー・抗酸化作用
- 抗アレルギー作用: ヒスタミン抑制効果による気管支炎・花粉症対応
- 抗菌・食中毒予防: 魚介毒性の抑制に有効な成分を含有
現代ではアレルギー緩和・胃腸機能改善・妊娠時の不快症状の軽減などへの応用も期待されています。
📖 古典における記載
『本草綱目』では、「解表・和中・安胎・解魚蟹毒」に優れるとされ、特に「気を巡らせ中を温める」効能により、胃腸と表証の両方に用いると記されています。
『日華子本草』では「心腹脹満を治し、寒を解き、胎を安んず」との記載があります。
⚠️ 注意点と禁忌
- 実熱証・陰虚火旺: 辛温性のため、熱のこもりや陰虚には不向き。
- 発汗過多: 汗が出すぎているときには、表散作用が逆効果となる。
- 過剰摂取: 胃熱を助長したり、喉に刺激感を感じることがある。
風寒表証・気滞胃腸型の不調に適しており、熱証・実証タイプには注意が必要です。
📝 まとめ
紫蘇葉は、風寒感冒の初期、気の巡りの停滞、胃腸の不快感、そして妊娠時の不安定さにまで対応する万能の温性ハーブ。
中医学においては、身体を優しく温めながら、気と湿を調え、胎を守る存在として、高く評価されてきました。
まるで家庭の台所にいつもあるシソのように、紫蘇葉は安心して使える“家庭的な中薬”の代表格。
虚弱な方・妊娠中の方・風寒に弱い方にとって、そっと寄り添うような薬草です。
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最後までお読みいただき、ありがとうございます。紫蘇葉の働きについて少しでも理解が深まりましたら幸いです。
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