【中薬×処方読解:第19回】小青竜湯を構成から読み解く─表寒+内飲を温肺利水で治す方剤戦略

【第19回】小青竜湯を構成から読み解く─表寒+内飲を温肺利水で治す方剤戦略

小青竜湯は、寒冷による咳・鼻水・気管支炎に用いられる代表的な温肺化飲剤です。冷えと水湿が絡む「表寒+内飲」の状態に対し、発表・温肺・利水の三方向からアプローチする処方構成を解説します。

 

 

 

 

🌿 処方の全体像:八味で冷えと痰飲を同時にさばく

小青竜湯は以下の8味で構成されます:

  • 👑 君薬:麻黄(まおう)、桂枝(けいし)
  • 🧠 臣薬:細辛(さいしん)、乾姜(かんきょう)
  • 🛡 佐薬:五味子(ごみし)、半夏(はんげ)
  • 🔗 使薬:芍薬(しゃくやく)、甘草(かんぞう)

“表の寒邪”と“内の水飲”に同時対応する、実践的な温化利水方です。

 

 

 

👑 君薬:麻黄・桂枝──寒邪を追い払い、肺気を発散

  • 麻黄:発汗・止咳・利尿の作用があり、肺気を宣発
  • 桂枝:温経・発表の作用で麻黄と協同して寒邪を排除

表寒の解表を軸に、肺の気機を回復させます。

 

 

 

🧠 臣薬:細辛・乾姜──寒湿と内飲を温化する

  • 細辛:温肺止咳・解表作用があり、冷えによる咳に有効
  • 乾姜:中焦を温め、寒湿による停滞を解消

肺寒・水湿による咳嗽・痰多・悪寒などを温めて散らします。

 

 

🛡 佐薬:五味子・半夏──収斂と痰飲の処理

  • 五味子:咳を抑え、肺気の漏れを防ぐ収斂薬
  • 半夏:痰飲を除去し、気機を整える

内にたまった水湿をさばきつつ、肺気の過剰な発散を防ぐ重要なコンビです。

 

 

 

🔗 使薬:芍薬・甘草──調和と筋緊張の緩和

  • 芍薬:筋肉の緊張をやわらげ、鎮痙効果も期待
  • 甘草:全体を調和しつつ、緩和・抗炎症にも作用

処方全体のまろやかさとバランスを保ちます。

 

 

📈 臨床応用:冷え・咳・痰・鼻水の同時対処に

小青竜湯は、寒冷刺激により悪化する咳・痰・鼻水に適応。
花粉症、アレルギー性鼻炎、冷房で悪化する咳など、現代にも通じる使用例が多い処方です。

 

 

📘 まとめ|表寒+内飲を治す温化利水方の典型

小青竜湯は、寒冷と水湿に同時アプローチする構成であり、冷え性・水分代謝異常・アレルギー傾向を持つ方の呼吸器トラブルに広く使われます。

本シリーズでは、他の代表処方も構成中薬から読み解いております。
ぜひ下記より他の記事もご覧いただき、理解を深めてください。

 

 

🔧 補足情報

  • 📘 本記事の内容は、中医学の標準理論と臨床実践に基づき、教育的観点から整理・構成しています。
  • 🧪 君臣佐使や臨床鑑別に関する表現は、複数の中医薬文献の知見を統合した構造的理解を重視しています。
  • 📚 引用・参考文献の詳細は、参考文献一覧ページをご覧ください。

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