【中薬×処方読解:第23回】当帰芍薬散を構成から読み解く─補血・利水・健脾の三位一体構造

【第23回】当帰芍薬散を構成から読み解く─補血・利水・健脾の三位一体構造

当帰芍薬散は、補血・利水・健脾を同時に行う三位一体の名方です。血虚・水滞・脾虚という複雑な病理に対し、どのように中薬が配されているのかを構成から丁寧に読み解きます。

 

 

 

🌿 処方の全体像:6味の生薬で三つの病理に同時対応

当帰芍薬散は以下の6味で構成されています:

  • 👑 君薬:当帰(とうき)
  • 🧠 臣薬:芍薬(しゃくやく)、川芎(せんきゅう)
  • 🛡 佐薬:茯苓(ぶくりょう)、白朮(びゃくじゅつ)
  • 🔗 使薬:沢瀉(たくしゃ)

補血・健脾・利水の3つの治法をバランスよく配した構成です。

 

 

 

👑 君薬:当帰──血を補い流れを整える

当帰は、補血・活血の両方の性質を持ち、血虚の主症状(めまい、疲労、顔色不良など)を改善します。

 

 

 

🧠 臣薬:芍薬・川芎──血を補い、巡らせ、筋肉を緩める

  • 芍薬は補血・緩急作用で筋肉の緊張を和らげ、疼痛や冷えに有効。
  • 川芎は活血・行気の働きで血行を促進し、瘀血や血行不良に対応。

当帰との組み合わせで「補う」と「巡らせる」のバランスが整います。

 

 

🛡 佐薬:茯苓・白朮──脾を補い、余分な水をさばく

茯苓白朮は、ともに健脾・利水作用を持ち、
水分代謝の異常からくる浮腫や頭重、めまい、冷えなどに対応します。

 

 

 

🔗 使薬:沢瀉──水湿を下ろし、利尿を促す

沢瀉は、水の巡りを促進しつつ熱を引く作用も持ち、下方に水を導いて浮腫や尿量減少を改善します。

 

 

📈 構成の妙:補と利、動と静の同時バランス

当帰芍薬散は、補血(当帰・芍薬)+活血(川芎)+利水健脾(茯苓・白朮・沢瀉)の3つを同時に展開。
“虚と実が混在する女性の体質”に対して、過不足なく構成された処方です。

 

 

📘 まとめ|婦人薬としての普遍的な処方構造

当帰芍薬散は、月経不順・冷え症・めまい・妊娠中の不調など、幅広い女性の症状に使われる代表的処方です。
その構成からは、中医学における「全体調和」思想が見てとれます。
他の処方との比較や学びを深めたい方は、ぜひ下記より他の記事もご覧ください。

 

 

 

🔧 補足情報

  • 📘 本記事の内容は、中医学の標準理論と臨床実践に基づき、教育的観点から整理・構成しています。
  • 🧪 君臣佐使や臨床鑑別に関する表現は、複数の中医薬文献の知見を統合した構造的理解を重視しています。
  • 📚 引用・参考文献の詳細は、参考文献一覧ページをご覧ください。

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