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【第18回】桂枝加朮附湯を構成から読み解く─風寒湿痺を温めて散らす温補方の基本
桂枝加朮附湯は、関節の痛みや冷え、しびれといった「風寒湿痺」に対して、身体を温めながら湿を除き、気血の巡りを促す温補方です。その構成生薬と働きを詳しく解説します。
🌿 処方の全体像:六味からなる温通の構成
桂枝加朮附湯は以下の6味で構成されています:
- 👑 君薬:桂枝(けいし)
- 🧠 臣薬:芍薬(しゃくやく)、附子(ぶし)
- 🛡 佐薬:白朮(びゃくじゅつ)、生姜(しょうきょう)
- 🔗 使薬:甘草(かんぞう)
桂枝湯の基本構成に、利湿・温陽の中薬を加えた“関節冷え痛み”特化型処方です。
👑 君薬:桂枝──太陽寒邪を温通する中心
桂枝は、発汗・解表・温経の作用で寒邪を散じ、気血の巡りを改善します。
関節痛や冷えによる痺れに対して、温通力で中心的に働きます。
🧠 臣薬:芍薬・附子──補陰と温陽のバランス
- 芍薬:筋肉の緊張をやわらげ、疼痛の緩和に寄与
- 附子:強力な温陽薬で、陽気の不足による寒痺を改善
“冷え”と“痛み”に同時に対応する構成です。
🛡 佐薬:白朮・生姜──湿を除き、脾を温める
- 白朮:健脾・利湿により水湿の滞りを解消
- 生姜:中焦を温め、寒湿の内攻を防ぐ
寒と湿が絡んだ状態に、内外からアプローチします。
🔗 使薬:甘草──調和と疼痛緩和を兼ねる
甘草は、他薬との調和をとりつつ、抗炎症・鎮痛の補佐役としても重要です。
📈 臨床応用:冷えて痛む関節・慢性化した痺れに
桂枝加朮附湯は、風寒湿痺による関節痛・神経痛・筋肉のこわばりなどに広く応用されます。
とくに高齢者や冷え性傾向のある方に適しており、「温めて通す」思想が明確な処方です。
📘 まとめ|寒湿に立ち向かう桂枝湯バリエーション
桂枝加朮附湯は、桂枝湯の基本構造に温陽・除湿の要素を加えた応用方であり、痺証治療の基本として理解すべき処方です。
本シリーズでは、他の代表処方も構成中薬から読み解いております。
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🔧 補足情報
- 📘 本記事の内容は、中医学の標準理論と臨床実践に基づき、教育的観点から整理・構成しています。
- 🧪 君臣佐使や臨床鑑別に関する表現は、複数の中医薬文献の知見を統合した構造的理解を重視しています。
- 📚 引用・参考文献の詳細は、参考文献一覧ページをご覧ください。
この記事の分類
- シリーズ分類:【中薬応用実践シリーズ】
- 弁証分類:痹証 寒湿 寒湿内盛 寒湿痹阻 風寒湿痹
- 効能治法分類:調経 祛風除湿(きょふうじょしつ) 温補通絡