【中薬×処方読解:第16回】半夏厚朴湯を構成から読み解く─気滞と痰湿にアプローチする“咽のつまり”解法

【第16回】半夏厚朴湯を構成から読み解く─気滞と痰湿にアプローチする“咽のつまり”解法

半夏厚朴湯は、「喉のつかえ感」や「咳」「胃のつかえ」など、気滞と痰湿が絡んだ症状に用いる代表処方です。半夏・厚朴・茯苓などによる理気・化痰・降逆の構成を解説します。

 

 

 

🌿 処方の全体像:五味の絶妙なバランス

半夏厚朴湯は、以下の5味で構成されています:

  • 👑 君薬:半夏(はんげ)
  • 🧠 臣薬:厚朴(こうぼく)
  • 🛡 佐薬:茯苓(ぶくりょう)、生姜(しょうきょう)
  • 🔗 使薬:紫蘇葉(しそよう)

“気の滞り”と“湿の停滞”がもたらす諸症状に対応する、理気・化痰の好例です。

 

 

👑 君薬:半夏──痰と気の滞りを取り除く主役

半夏は、化痰・燥湿・降逆の働きで「咽のつまり感」や「咳嗽」「悪心」を改善。
気の上逆と痰湿の交錯を解く要として処方の中心に据えられます。

 

 

🧠 臣薬:厚朴──気を巡らせるパワフルな理気薬

厚朴は、胸や胃のつかえ・張り感を緩和。
気の巡りを促進し、半夏とともに「気滞+痰湿」の悪循環を断ち切ります。

 

 

🛡 佐薬:茯苓・生姜──中焦のサポートと潤いの調整

  • 茯苓:水湿を除いて胃腸機能を助ける健脾利水薬
  • 生姜:温中散寒で半夏の補助役。嘔気や冷えに対応

理気・化痰の基盤として中焦を安定させます。

 

 

🔗 使薬:紫蘇葉──気を動かし、全体を調和

紫蘇葉は、香り高く気を巡らせ、胃腸の動きを助けます。
また、精神的な不安感や抑うつ傾向にも穏やかに作用します。

 

 

📈 構成の妙:気滞・痰湿・情志のトライアングル解決

半夏厚朴湯は、単なる化痰剤ではなく、気の滞りと情志の停滞がもたらす不定愁訴に強みを発揮します。
とくに「梅核気(ばいかくき)」=喉の異物感に用いられる名方です。

 

 

 

📘 まとめ|心と身体を同時にほぐす処方

半夏厚朴湯は、心因性の不調(機能性ディスペプシア・ストレス性咳など)にも応用可能な柔軟性を持っています。
気滞+痰湿を見抜いた時、まず思い出したい一方です。

本シリーズでは、他の代表処方も構成中薬から読み解いております。
ぜひ下記より他の記事もご覧いただき、理解を深めてください。

 

 

🔧 補足情報

  • 📘 本記事の内容は、中医学の標準理論と臨床実践に基づき、教育的観点から整理・構成しています。
  • 🧪 君臣佐使や臨床鑑別に関する表現は、複数の中医薬文献の知見を統合した構造的理解を重視しています。
  • 📚 引用・参考文献の詳細は、参考文献一覧ページをご覧ください。

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