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【第9回】小柴胡湯を構成から読み解く──少陽病の調和と“和解”の処方戦略
小柴胡湯(しょうさいことう)は、少陽病の代表処方として広く知られ、感冒・胃腸不調・慢性肝炎など多様な病態に応用されています。本記事では、その中薬構成と配伍の背景から「和解少陽」の意味を紐解き、処方全体の設計思想を解説いたします。
🌿 処方の全体像:7味からなる和解処方
小柴胡湯は以下の7味で構成されます:
- 👑 君薬:柴胡(さいこ)
- 🧠 臣薬:黄芩(おうごん)
- 🛡 佐薬:半夏(はんげ)、生姜(しょうきょう)、人参(にんじん)、大棗(たいそう)
- 🔗 使薬:甘草(かんぞう)
全体として「和解少陽」を基本原則に据えた構成です。
👑 君薬:柴胡──少陽の主治薬
柴胡は少陽病における主役。往来寒熱・胸脇苦満といった少陽の病証に対して、外邪の停滞と肝気鬱結を解く力を発揮します。
🧠 臣薬:黄芩──柴胡と対をなす熱の清解薬
黄芩は柴胡と並んで少陽を整える重要な薬で、内にこもる熱を冷まします。肝胆・胃腸に熱を持つケースに適応します。
🛡 佐薬:気を和し、消化系を立て直すサポーター
- 半夏・生姜:胃を和し、吐き気や痰飲を抑える
- 人参・大棗:気を補い、柴胡・黄芩の峻烈さを緩和
これらにより、胃腸の弱りを補完しながら処方全体のバランスを取ります。
🔗 使薬:甘草──調和と補気を担う万能薬
甘草は他の薬を調和させ、胃腸を守るだけでなく、気虚の補強としても機能します。和解と補気の“まとめ役”です。
📈 構造的理解:和解とは“中間調整”の処方戦略
小柴胡湯は、外寒と内熱の中間にある「少陽病」において、上下・内外のバランスを調える戦略的処方です。
- 1️⃣ 和解:柴胡+黄芩
- 2️⃣ 補気:人参+大棗+甘草
- 3️⃣ 胃気調整:半夏+生姜
陰陽の偏りを戻す“中庸的”設計が特徴です。
📘 まとめ|中庸を調える方剤の原型
小柴胡湯は、単なる風邪薬にとどまらず、「体内のバランス調整」という視点から見直す価値があります。中薬構成を理解することで、より深く応用できるようになるでしょう。
🔧 補足情報
- 本記事の分類・構成は『中薬学』『方剤学』『図解漢方処方解説』等を参考に、臨床での実用性を重視して整理しています。
- 臨床鑑別ポイント:
- 🔻 少陽証:往来寒熱・口苦・胸脇苦満・食欲不振・吐き気
- 🔻 肝胃不和:怒りやすい・胃痛・みぞおちのつかえ感
- 🔻 慢性疾患:肝機能異常・慢性炎症・虚実錯雑の病態
- 中薬分類(中薬学準拠):
- 🌿 疏肝薬:柴胡
- 🔥 清熱薬:黄芩
- 🌬 理気薬:半夏・生姜・大棗
- 💧 利水薬:半夏
- 💪 補気薬:人参・甘草・大棗