イライラ・胸のつかえに|“気滞体質”の巡らせ薬膳

イライラ・胸のつかえに|“気滞体質”の巡らせ薬膳

「なんとなく気分が重い」「胸やお腹が張って苦しい」「ため息が多くなる」──
それは“気滞体質(きたい)”のサインかもしれません。
この記事では、気滞体質の特徴と、“気の巡り”を整える薬膳食材を中心としたセルフケア方法をご紹介いたします。


気滞体質とは?

中医学で「気滞」とは、からだの中を巡る“気”の流れが滞った状態のこと。
気がスムーズに巡らないと、精神面や消化機能に不調が現れやすくなります。

✔ 気滞タイプに見られる特徴

  • イライラしやすい/気分が不安定
  • 胸やお腹の張り/ガスがたまりやすい
  • ため息が多い/喉に何か詰まった感じ
  • 月経前の不調(PMS)が強い

「ストレスが体に出やすい」「感情が波打ちやすい」方は、気滞傾向が強いかもしれません。


薬膳での基本アプローチ:理気(りき)・疏肝(そかん)

気滞体質には、気の流れをスムーズにする「理気(りき)」の食材を選びます。
特に「肝」の疏泄機能(のびやかに気を巡らせる働き)を助けることが重要です。

理気・疏肝を助ける食材の傾向

  • 性質: 平性または温性
  • 味: 芳香・辛味・酸味(気を動かす)

おすすめの理気食材

食材 作用 おすすめの食べ方
陳皮(ちんぴ) 気を巡らせ、胃腸の張りを取る 煎じ茶、お粥、煮物
しそ 胃を温め、気の流れを整える 薬味、天ぷら、おにぎりに
みかん/柑橘類 香りで気を巡らせる 生食、ドレッシング、スムージー
春菊 肝を養い、気の滞りをやわらげる サラダ、鍋、胡麻和え
菊花 頭痛・眼精疲労にも◎ 菊花茶(市販)、薬膳スープ

簡単レシピ|しそと陳皮のお粥

材料(2人分)

  • 白米 1/2合
  • 水 500ml
  • 陳皮(市販の乾燥) ひとつまみ
  • しそ(千切り) 少々
  • 塩 少々

作り方

  1. 米と水を鍋で煮て、お粥を炊く
  2. 陳皮を加えて煮込み、最後にしそを散らす
  3. 塩で軽く調味し、香りを楽しみながらいただく

気の流れが乱れて食欲がないときにもおすすめ。
やさしい香りと温かさで、心もからだもふっと緩みます。


日常生活でのセルフケア

  • 深呼吸・ストレッチ・香りで気分転換
  • 締め付ける服装を避け、のびのび過ごす
  • 怒り・悲しみなど感情を抑え込みすぎない

まとめ:気は“めぐる力”

気滞体質の不調は、体に起こるストレスの信号。
薬膳の力を借りて、からだと感情の流れを整えてあげることが大切です。
食事と生活で、からだの“詰まり”を少しずつほどいていきましょう。

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