“巡り”と“排出”の両方に効くごぼう|イライラ・便秘・肌荒れを整える薬膳素材
「なんだかイライラする」「肌に吹き出物が出る」「お腹が張ってスッキリしない」──
そんなときに使える薬膳素材が“ごぼう(牛蒡)”です。
中医学では、ごぼうは「疏風散熱・通便・解毒」の作用を持つ素材として分類され、肝気鬱結・熱毒・便秘・肌荒れに効果的です。
この記事では、デトックスと気の巡りを促すごぼうの効能と、体質別の活用法をご紹介します。
ごぼうの薬膳的プロフィール
ごぼう(牛蒡/ごぼう)は、漢方では疏風清熱・宣肺解毒・通便に分類される“排出と巡り”の両立素材。
風邪の初期、春の不調、皮膚トラブル、情緒不安定なときにおすすめです。
漢方的分類
- 五性:寒性(体の熱を冷ます)
- 五味:辛・苦
- 帰経:肺・胃経
- 主な効能:清熱解毒・通便・疏風散熱・消腫排膿
ごぼうが活躍する体質・症状
体質 | 特徴 | 主な適応 |
---|---|---|
肝気鬱結 | ストレスに弱い/ため息が出る/月経前に不調 | イライラ・頭痛・胸脇の張り |
湿熱+熱毒 | ニキビ・吹き出物/口臭/便臭が強い | 肌荒れ・皮膚炎・便秘 |
便秘(特に熱性・食積型) | 口が苦い/腹が張る/顔が赤い | 便秘・痔・体内熱のこもり |
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ごぼうの取り入れ方と簡単レシピ
使い方のポイント
- 皮に薬効があるため、軽くこすり洗いにとどめる
- 煮物・きんぴら・スープ・味噌汁に◎
- 便秘・熱がこもっているときは単独煎じも可能
おすすめレシピ:ごぼうと豆腐の薬膳スープ
材料(2人分)
- ごぼう:1/2本(ささがき)
- 豆腐:1/4丁(さいの目)
- 昆布だし:400ml
- しょうが:少々(寒性バランス調整用)
- 塩・しょうゆ:少々
作り方
- ごぼうとしょうがをだしで煮る
- 豆腐を加え、味を整えて完成
“冷やして巡らせて排出する”ごぼうの薬膳力を感じられる一杯です。
一緒に取りたい素材とセルフケア
相性の良い素材
- 春菊:肝の気を整え、気滞を流す
- はとむぎ:利湿+排毒の相乗効果
- 黒豆:補血しながら毒を排出
おすすめのツボ
- 太衝(たいしょう):足の甲の親指と人差し指の間/肝気の巡り
- 合谷(ごうこく):手の甲、人差し指と親指の間/気の巡りと排出
まとめ:詰まりを流すと、気持ちも軽くなる
からだが詰まると、こころも詰まりやすくなります。
ごぼうは、“巡り”と“排出”を同時に叶える薬膳素材。
ときには「食べるデトックス」として、ごぼうを主役にした食卓をどうぞ。
すっきりと軽やかな毎日へ、一皿から始めましょう。
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