「突然の発汗」に悩むあなたへ
「何もしていないのに汗がドッと出る」「電車の中で一人だけ汗だくで恥ずかしい…」
更年期の代表的な悩みのひとつが、ホットフラッシュ(ほてり・多汗)です。40代~50代の女性から寄せられるご相談の中でも、最も多い症状の一つです。
中医学では、このような状態を「陰虚火旺(いんきょかおう)」や「肝腎陰虚(かんじんいんきょ)」ととらえ、体内の“潤い”や“冷却水”が不足している状態と考えます。
体の中で起こっていること|中医学の視点
更年期は、女性ホルモン(エストロゲン)の急激な減少により、自律神経のバランスが乱れやすくなります。
中医学では以下のような変化が見られるとされます:
- 腎陰の不足:体の潤い・冷却機能が低下
- 虚熱の亢進:ほてり・寝汗・イライラなど
- 肝の不調:気の巡りが乱れ、情緒が不安定に
このようなバランスの乱れを整えるために、薬膳素材で日々のケアを取り入れるのはとても有効です。
おすすめの薬膳素材|汗と上手に付き合う
1. 百合(びゃくごう)
潤いを補い、咳・不安・寝汗などにも使われる。
白きくらげと合わせて、スープやデザートに。
2. 白きくらげ(しろきくらげ)
陰を補い、肌や粘膜をうるおす働き。
更年期の乾燥・ホットフラッシュにおすすめ。
3. 枸杞の実(クコの実)
肝と腎を養い、目の疲れやほてり・不眠に。
ヨーグルトやお粥に加えるだけで手軽。
4. 黒豆
腎を補い、老化予防に。
黒色は腎に属し、更年期の養生に欠かせない素材。
5. 山薬(さんやく/長芋)
脾と腎を補い、体力・潤い・スタミナを底上げ。
胃腸が弱い方にも◎
6. ハトムギ
むくみを取りつつ、肌を整える。
汗の後のベタつきや吹き出物が気になる方に。
薬膳でケアする生活のすすめ
- 白湯+クコの実を朝の一杯に
- 百合と白きくらげのスープを週に1回
- おやつは黒豆煮や、山芋のポタージュに
- 冷たい飲み物・辛い食べ物は控えめに
薬膳は「我慢」ではなく、「からだを思いやる選択」です。
私からのひとこと
更年期の汗は、身体からの大切なメッセージ。
「ただの老化」でも「気のせい」でもありません。
薬ではなく、自然な素材で自分の身体と向き合う時間は、今後の人生の質を左右するといっても過言ではないのです。
中医学の視点を取り入れた薬膳素材の力を借りて、無理なく整える習慣を、ぜひあなたも始めてみませんか。
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