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動かすたびに痛む関節 – 中医学で考える関節痛と体質改善法
はじめに
「動かすたびに関節が痛む」「朝起きると関節がこわばる」—— 日々の生活に影響する関節痛は、中医学でもよく扱われる症状のひとつです。
西洋医学では加齢や炎症が原因とされますが、中医学では風寒湿痺(ふうかんしつひ)や気血の滞りが関節痛の原因と考えられています。この記事では、関節痛の体質別原因と漢方による改善法をご紹介します。
中医学で考える関節痛の原因
関節痛は、外からの邪気(風・寒・湿)や体内の虚弱が原因で、経絡(けいらく)の気血の流れが滞り、痛みとして現れると考えます。
主な関節痛のタイプ
1. 風寒湿痺(ふうかんしつひ)
- 冷えや湿気で悪化、重だるい痛み
- 痛む場所が移動することがある
- 関節のこわばり、むくみ
2. 気血両虚(きけつりょうきょ)
- 体力の低下による慢性的な痛み
- 動くと疲れ、関節がだるくなる
- 顔色が悪く、食欲不振を伴う
3. 肝腎虚(かんじんきょ)
- 加齢に伴う関節の痛み、腰や膝の弱り
- 長時間の立ち仕事や運動で悪化
- 夜間や寒い季節に強くなる痛み
体質別・漢方ケアの提案
風寒湿痺タイプ
- 疎経活血湯(そけいかっけつとう) – 風寒湿を取り除き、気血を巡らせる
- 桂枝加苓朮附湯(けいしかりょうじゅつぶとう) – 冷えによる痛み、こわばりに
気血両虚タイプ
- 八珍湯(はっちんとう) – 気血を補い、体力を回復する
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) – 血行を促進し、だるさを軽減
肝腎虚タイプ
- 独活寄生湯(どっかつきせいとう) – 慢性の関節痛、腰膝のだるさを改善
- 牛膝散(ごしつさん) – 筋骨を強化し、老化による痛みに対応
生活養生のポイント
- 冷えを避け、温かく保つ(入浴、温湿布)
- 湿気の多い場所を避け、換気を心がける
- 過度な運動は控え、ストレッチなどで柔軟性を保つ
- 規則正しい生活とバランスの良い食事
まとめ
関節痛は体質や環境によって悪化しやすい症状です。
中医学では、体質に合わせて風寒湿を取り除き、気血を整えることで、痛みの根本改善を目指します。
漢方と生活習慣の工夫を取り入れ、快適な毎日を取り戻しましょう。