なぜ私は「漢方LAB」を立ち上げたのか ── 薬剤師としての迷いと中医学への挑戦
はじめまして。「漢方LAB」運営者のセージと申します。
薬剤師として15年以上、調剤・服薬指導・在宅支援の現場に立ってきました。
この文章は、私がなぜ漢方・中医学を学び、このサイトを立ち上げたのかを、少しだけ真面目に綴った記録です。
西洋医学とポリファーマシーのはざまで揺れた日々
臨床現場で私は、処方された薬を調剤し、患者さんに使い方を丁寧に説明する日々を送っていました。
しかし、ある時からこう思うようになったのです。
「この薬、本当に必要なんだろうか?」
「服薬しているのに、なぜこの人は良くならないのだろう?」
病気が増えるたびに、薬が増えていく。ポリファーマシーが当たり前のように受け入れられている現実。
でも減らす発想、つまり「引き算の医療」は、あまりにも希薄でした。
“薬を出すこと”が目的化してしまっているような処方も、少なくなかったのです。
“薬だけでは届かないもの”に気づいた瞬間
医師の言葉を鵜呑みにして、言われたままに薬を飲み続ける高齢患者さん。
言われたとおりに服薬しても、症状は改善せず、生活の質も上がらない。
その姿を目の当たりにし、「医療ってこれでいいんだろうか?」と、心の底から疑問を持つようになりました。
漢方との出会い、そして中医学という挑戦
漢方という言葉には以前から興味がありました。
けれど、どこから手をつけてよいのかわからない。情報は断片的で、独学の道はあまりに遠く見えました。
それでも「学ぶなら本質まで触れたい」と思い、国際中医師という道を選びました。
学びの苦悩と突破、国際中医師になるまで
中医学の学習は、本当に手ごわいものでした。
用語は難解で、表現も抽象的。そもそも漢字そのものが“思想”を含んでいるため、日本語に置き換えるだけでは理解できないことも多かった。
最初はまったく歯が立たず、何度も諦めかけました。
それでも、毎朝30分だけでも「続ける」ことを決め、朝活を始めました。
ノートに図を書きながらまとめ、仲間とも情報交換をし、公式テキスト以外にも多くの良書に助けられました。
地味な積み重ねではありましたが、少しずつ知識が体系としてつながり、理解が深まっていく感覚は、とても嬉しかったです。
健康を見つめ直す、自分自身のライフスタイル改革
実は私自身も、腰を痛めたことがきっかけで、生活と健康に本気で向き合うようになりました。
食事は超加工食品から見直し、薬膳の学びを取り入れ、添加物にも気を配るようになりました。
また、定期的に運動を取り入れることで、体と心の変化を実感しています。
「病気になってから治す」ではなく、「整えておくことで、病気を遠ざける」という発想。
中医学はまさに、それを体現する知恵の宝庫でした。
情報が届かない人に、学びと気づきを届けたくて
中医学や漢方に関する情報は、いまだに偏見や誤解も多く、
専門用語が羅列された難解なページや、商業目的の紹介ばかりのサイトが目立ちます。
「これでは、知りたい人にこそ届かない」と感じました。
私自身がそうだったように、学びたいのに、信頼できる情報に出会えない人は多いはず。
だからこそ、知識と実践をつなぐ「場」をつくりたかったのです。
だから私は「漢方LAB」を立ち上げた
「漢方LAB」は、知る・探す・学ぶ・相談するの4本柱から構成されています。
情報を一方的に届けるだけではなく、読者の行動とつながる仕組みを大切にしています。
- 知る:基礎理論や証、方剤・生薬のしくみをやさしく解説
- 探す:体質・症状・季節別に目的に合った情報へ誘導
- 学ぶ:診断チャート、クイズ、PDF教材で楽しく反復学習
- 相談する:体調や学びの悩みにLINEや相談室で寄り添う
LABという名前に込めた意味
- Laboratory:自分自身の体を知る、内面を探る実験の場
- Love:漢方と健康への愛を分かち合う場所
「知識の集積所」ではなく、気づきと行動を育てる実践型のラボ。
それが、漢方LABのコンセプトです。
あなたへ届けたい、この場所の使い方
どんな方でも、自分の健康を“自分のこと”として考えられるようになる。
そのきっかけになる情報、体験、出会いを、漢方LABで提供していきたいと考えています。
- 🌿 体調に悩む方へ:あなたの体質に合ったヒントを見つけてほしい
- 📘 学びたい方へ:わかりやすく、系統立てて中医学を学べる場に
- 🧑⚕️ 医療に関わる方へ:現場で活かせる知識を、信頼できるかたちで
実際、サイトに訪れた読者からはこんな声も届いています。
「漢方に興味はあったけれど、どこから学んでいいか分からなかった。ここでやっと道が見えました」
「クイズで学べるのが面白くて、自然と知識が身についてきた気がします」
そうした一言が、私の原動力になっています。
未来へ──中医学とともに歩む多様な健康のかたち
私は、将来的に西洋医学と東洋医学、中医学と和漢、薬膳までを一気通貫で学べる環境を整えたいと考えています。
鍼灸師、医師、薬剤師、学生、一般の生活者……それぞれの立場に応じた「つながりの場」としての進化を目指します。
健康は“ある日突然”できあがるものではありません。
日々の積み重ねこそが、未来のあなたの身体と心をつくります。
あなたの暮らしに、そっと中医学の視点が寄り添えたら。
それが、私の願いです。
まずは、診断チャートでも、薬膳レシピでも、気になる記事ひとつからでも構いません。
「何かを整えたい」と感じたその気持ちを、そっと育てていく──
そんなあなたの旅路に、漢方LABが寄り添えたら嬉しく思います。
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
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