漢方薬の選び方|ドラッグストアで迷わない処方の見かた

漢方薬の選び方|ドラッグストアで迷わない処方の見かた

「市販の漢方薬、たくさん並んでいてどれを選べばいいか分からない」
そんな経験はありませんか?
漢方薬は「体質」と「証」に合わせて使うことが大切です。
この記事では、ドラッグストアや通販で漢方薬を選ぶ際に知っておきたい基本の考え方と、体質別の代表的な処方をやさしく解説します。


西洋薬と漢方薬の選び方の違い

西洋薬は「この病気にはこの薬」という“病名ベース”で選ぶのが基本。
一方、漢方薬は「体全体の状態(証)」に合わせて選ぶ必要があります。
つまり、同じ「咳」でも体質が違えば処方も変わります。

たとえば咳の場合:

  • 痰が多くて苦しい咳 → 小青竜湯
  • のどが乾く乾燥タイプの咳 → 麦門冬湯
  • 風邪のひきはじめでゾクゾク → 葛根湯

このように、「症状」ではなく「体質・状態」を見て処方を選ぶのが漢方の基本です。


選ぶポイント①:「体質(証)」に合っているか

まずはあなたの「証(体質)」がどのタイプかを知ることが大切です。
以下に、代表的な体質と、それに対応する市販漢方薬をまとめました。

体質タイプ 特徴 代表的な処方
気虚 疲れやすい、風邪をひきやすい 補中益気湯
陽虚 冷え、むくみ、頻尿 八味地黄丸、真武湯
陰虚 のぼせ、乾燥、不眠 六味丸、知柏地黄丸
血虚 貧血傾向、不眠、肌荒れ 当帰芍薬散、加味帰脾湯
気滞 イライラ、胸のつかえ、月経不順 加味逍遥散、抑肝散
瘀血 冷えのぼせ、肩こり、生理痛 桂枝茯苓丸
痰湿 むくみ、頭重、消化不良 平胃散、六君子湯

→ 自分の体質を知るには:体質診断チャートはこちら


選ぶポイント②:「ツムラ番号」で探すと便利

市販漢方薬には「ツムラ●番」などの番号がついていることがあります。
番号を把握しておくと、病院・薬局・通販などで処方を探しやすくなります。

  • ツムラ1番:葛根湯
  • ツムラ24番:加味逍遥散
  • ツムラ41番:補中益気湯
  • ツムラ62番:防風通聖散

※クラシエ・コタローなど他メーカーでは名称のみ表記されることもあります。


選ぶポイント③:急性症状には使い方に注意を

葛根湯のように「風邪のひき始め」に使う処方は、タイミングを間違えると効果が出にくくなります。
また、慢性症状への使用は、継続して2週間〜1ヶ月程度様子を見る必要があります。


選ぶポイント④:市販漢方薬の注意点

  • 体質に合わないと効果が出にくい(または悪化することも)
  • 長期連用は避ける(添付文書を確認)
  • 妊娠中・授乳中は必ず医師または薬剤師に相談

迷った場合は薬剤師や漢方専門家に相談するのが安心です。


まとめ:漢方は「合う処方を見極める」のがカギ

市販の漢方薬は、自分の体質に合ったものを選べばとても心強い味方になります。
しかし、選び方を間違えると効果が出ないばかりか、悪化のリスクも。
まずは「証(体質)」を知り、漢方との正しい付き合い方を身につけましょう。

▶ 続けて読む:はじめての漢方薬膳|食材の性質と季節の関係とは?

 

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