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月経不順と中医学 – 気血のバランスを整える漢方的ケア
はじめに
「生理が早く来たり、遅れたり…」
月経不順は多くの女性が抱える悩みのひとつです。
中医学では、月経の乱れは「気血のバランス」の崩れによって引き起こされると考えられています。この記事では、月経不順の原因とタイプ別の漢方的アプローチをわかりやすく解説します。
月経不順とは?
月経不順とは、月経の周期が一定せず、早まったり遅れたりする状態を指します。一般的に、周期が24日以内で早まる場合を「月経先期」、35日以上遅れる場合を「月経後期」と呼びます。
中医学でみる月経不順の主な原因
中医学では、月経不順の原因を以下のように分類します:
1. 気虚(ききょ)
- 月経が早く来る、出血量が多く、色は淡い
- 疲れやすい、息切れ、倦怠感
2. 血虚(けっきょ)
- 月経が遅れる、量が少なく、色が淡い
- めまい、動悸、顔色が青白い
3. 気滞(きたい)・血瘀(けつお)
- 月経周期が不定、出血量はまちまちで、血塊を伴う
- 胸やお腹の張り、イライラ
気血のバランスを整えるためのケア
1. 食事のポイント
- 気虚・血虚タイプには:鶏肉、なつめ、ほうれん草、黒ごま
- 気滞タイプには:柑橘類、香味野菜、ハーブティー
- 冷たいもの・刺激物を控え、体を温める食事を心がける
2. 生活習慣の見直し
- 十分な睡眠、過労を避ける
- 適度な運動(ウォーキング・ストレッチ)で血行促進
- ストレス解消法を見つける(入浴、リラクゼーションなど)
漢方薬でのサポート
月経不順のタイプに応じて、以下の漢方薬が用いられます。
- 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
気虚タイプに。体力を補い、周期の安定を促します。 - 四物湯(しもつとう)
血虚タイプに。血を補い、月経を整える基本処方。 - 逍遙散(しょうようさん)
気滞タイプに。気の巡りを良くし、イライラや張りを和らげます。
まとめ
月経不順は、日々の生活や体質の影響を大きく受けるものです。
中医学では、気血のバランスを整えることで、自然と月経が安定すると考えます。
体質に合わせたケアと漢方の力を取り入れ、心身ともに整った日々を目指しましょう。